Multiscale.Simによる非線形マルチスケール解析 (4)〜 材料設計も含めた試作レスを目指して 〜

目次

クリープ数値材料試験例

本節からはMultiscale.Simの最新バージョン4.0の新機能であるクリープ均質化解析機能の解析事例を紹介いたします。複合材料はガラス繊維で強化された樹脂材を想定してモデリングされています。繊維は±30°に配向されておりますので、全方向に対して異方性を持つ材料挙動をとることが予想されます。

数値材料試験の結果を図3に示しました。クリープ材料試験では、試験方向にのみ有限な値を持つみかけの応力成分を一定時間保持し、時間に対してクリープひずみが進展する様子をプロットします。全6方向のクリープ特性の中で、xy方向のせん断特性のみが擬似弾性的に振る舞っている様子がわかります。この様子を定量的に評価するために樹脂内部の応力分布をヒストグラムでサンプリングしました(図4参照)。応力値を複数の範囲でグループ分けし、各グループに属する要素数をカウントしています。材料の非近質性により応力はある分布を持ちますが、時間が経過しても、応力分布は相似形をほぼ保ったまま低応力側へシフトしている様子が確認できます。試験片に付加された外部荷重の大部分を樹脂が受け持つような場合には、外部荷重が一定である以上、応力分布は一定値もしくはそれに近い値をとります。また、変形に伴って繊維の向きが変わるようなことがあれば、応力分布が変わりますので、ヒストグラムの相似性が崩れます。今回このような特徴が見られないことは、xy方向成分の外部荷重に対しては、繊維が材料の剛性に強く寄与していることを示唆しています。このような定量的なミクロ構造の結果評価を行うことにより、材料設計の指針となる様々な知見を取得することができます。


図3 クリープ数値材料試験例

図4 xyせん断クリープ試験における樹脂内の要素応力分布ヒストグラム

>>次ページ:PSO最適化アルゴリズムと材料物性値同定

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