製品情報
Version 5.3x
リリース
Version 5.31 :2025年3月
Version 5.3 :2024年12月
新機能
音響-音響連成解析のためのGUI機能
複数の音響BEMモデルを連成させて解析する音響-音響連成解析は、BEMを適用しながらも複数媒質の混在する音場がモデル化されるために車室内音場(乗車する空間(通常の空気)と吸音材が充填された空間(複素数で表された媒質特性)の連成)やスピーカーによる半無限空間への放射音場(無限大バッフル中にスピーカーが埋め込まれている形状)の解析に適用されます。BEMでモデル化された問題へのFMBEMの適用により、FEMを適用するよりも計算負荷が低減される可能性があります。この音響-音響連成解析機能は従来より存在していましたが、GUIが対応していなかったため、GUIによるコマンド生成機能により一部のコマンドを生成した後にマニュアルを確認しながら不足のコマンドを追記、そしてバッチ処理として解析する必要がありました。
Version 5.3では、音響-音響連成解析に関連する全ての機能にGUIが対応しました。
今回の修正により、解析モデルを設定するための操作手順の一部に変更が生じます。主な変更点は材料特性の取り扱いです。Version 5.3からは複数の材料特性を設定し、それらを要素の表面/裏面に割り当てる操作が加わります。材料特性の設定や割り当てをしない場合は、全要素の表裏面にデフォルトの材料特性が割り当てられます(旧バージョンでは、「解析モデル形状」として「薄層境界あり」を選択した場合に対応)。また、「解析モデル形状」の設定は廃止となり、「点音源」「BIE音源」「対称面」「観測点」の設定時には、それらが属する媒質を選択します。
なお、旧バージョンで使用されていたコマンドやwdbファイルは、Version 5.3でも使用できます。


不具合の修正
WAON Version 5.31で修正した不具合
バッチ処理による画像出力において境界要素メッシュの非表示設定が効かない
バッチ処理により三次元画像を出力(Version 5.31コマンドマニュアルの15.3節参照)する際、Setの色付け表示をしなければ、境界要素メッシュの非表示設定が効きませんでした。この不具合を修正しました。
吸音境界条件の設定が効かない
Absorbentコマンドにおいて以下の条件を同時に満たす場合、そのコマンドが無効になっていました。この不具合を修正しました。
・TypeにImpedanceまたはAdmittanceを設定
・Elementキーワードで「単一かつ最終の要素」を境界条件の付与対象として指定(最終の要素:メッシュファイルにおいて最後に記述されている要素)
WAON Version 5.3で修正した不具合
ANSYSの構造周波数応答解析結果を読み取る際、拘束方程式のための節点における値は除外
従来は境界条件を与える境界要素中心からの距離と個数で構造節点を選択していましたが、この場合は拘束方程式のための節点も含まれていて、これにより読み取り後の結果が不連続になることがありました。そこで、結果読み取りの対象となる構造節点から、拘束方程式のための節点における値は除外するようにしました。
修正できていない不具合
GUIへの入力時にプログラムが停止する不具合
Windows10 2004以降で提供されている新しいMicrosoft IMEの不具合の影響を受け、このIMEを使用してWAONのGUIに文字を入力すると画面がフリーズします。
この問題は従来のIMEを使用することで解決します。従来のIMEを使用する方法は下記をご参照ください。
https://secure.okbiz.okwave.jp/ansys/faq/show/19466