製品情報
Version 5.2x
リリース
Version 5.21:2024年3月
Version 5.2 :2023年1月
新機能
過渡応答算出機能

~壁面を回り込む音波の瞬時分布~
図の下辺が地面で左下に球面波音源を設定しています。
音源から放射された音波の直接音や地面による一回反射音が障壁を乗り越える様子を過渡アニメーションとして確認できます。
周波数応答解析の結果に対して高速フーリエ変換(fast Fourier transform: FFT)を適用し、過渡応答に変換する機能を実装しました。この機能は、ユーザーが指定した時刻における応答を、特定点における過渡データまたは観測面における過渡の分布データとして算出します。これによりWAONの解析結果として、音圧の過渡応答のグラフを表示したり、三次元空間への伝搬の様子を表すアニメーションを表示することができます。
しかしながら所望の時間長や時間幅における過渡データを得るためには、適切な最大周波数と周波数間隔で周波数応答解析を実行するしなければなりません。一般にこのための演算負荷(所要時間と必要メモリ量)は高くなるため、クラウド環境下で動作させるためのWAONライセンス形態も用意しております。詳しくは、別途お問い合わせください。
新たな書式の解析結果ファイル
所望の周波数における所望のエンティティの結果をテキストファイルに出力することができる様になりました(従来は特定の周波数における全エンティティまたは特定のエンティティにおける全周波数の結果のみをサポートしていました)。
その他
- STL 書式の点と三角形データを観測点メッシュとして読み取ることができます。
- *.rst(ansysの結果ファイル)と*.op2(Nastranの結果ファイル)に限定されますが、ユーザーにより指定される境界要素に対して複数のファイルから構造固有ベクトルを読み取ることができる様になりました。
不具合の修正
Version 5.21で修正した不具合
ツリーエリア「パラメータ」に対応する設定エリアの動作不具合
WAONのツリーエリア内で「パラメータ」を選択し設定エリアで値を変更すると、WAONが異常終了していました。この不具合を修正しました。
Ansys結果ファイル(rstファイル)の新しい書式への対応
一部のrstファイルに関して書式が変更され、ファイル容量が削減されました。WAONでもこの様なファイルを読み取れる様に修正しました。
多数の周波数並列(FLP)設定時に複数荷重ケース機能を使用すると稀に結果が保存されない
多数のFLP設定時に複数荷重ケース機能を使用すると、結果保存に関する異常が稀に生じていました。これは複数荷重ケース機能に伴うEnsight書式での結果保存の際に、FLP使用時に必要となるファイルI/Oに対する排他制御が不十分だったためです。なお、本件は異常が生じた周波数の結果は保存されませんが、保存された結果に関しては異常値等は含まれません。
排他制御のタイミングを見直すことで本不具合を解消するとともに、排他制御に伴うボトルネックを削減しました。
対称問題における受音点音圧をFMBEMにより計算する際の不具合
対称面を設定した問題で受音点での音圧や粒子振動速度を計算(Postprocess計算)する際、境界面と受音点の距離に依存して不正確な値が計算されていました。
この不具合を修正しました。
WAON Version 5.2で修正した不具合
- 解析結果が存在しない状態で解析可能な最大周波数のカラーコンターが表示できない
- ユーザーマニュアル表A-2中のOP2ファイルに関する記述において,実際にはバイナリ形式をサポートしていることに対してテキスト形式が読み込める旨の記述となっていた
修正できていない不具合
GUIへの入力時にプログラムが停止する不具合
Windows10 2004以降で提供されている新しいMicrosoft IMEの不具合の影響を受け、このIMEを使用してWAONのGUIに文字を入力すると画面がフリーズします。
この問題は従来のIMEを使用することで解決します。
従来のIMEを使用する方法は下記をご参照ください。