事例紹介
プリント基板解析事例
こんな方におすすめ
- プリント配線基板のリフロー炉内での温度履歴を確認したい
- 温度上昇に伴い、どの程度変形するかを確認したい
- 配線パターンの違いにより、温度上昇、熱変化に影響があるか確認したい
プリント基板を設計する上での懸念事項
プリント基板の製造工程において、リフロー炉による加熱で基板が反ることが原因で基板にパッケージを実装できない不具合などが発生することが考えられます。
リフロー炉の加熱以外にも反りの原因として、プリント基板の配線パターンの不均一性が挙げられます。
配線パターンの不均一性がプリント基板の温度分布の不均一性に反映されます。結果として温度が高くなった箇所はプリント基板が反る可能性がありますので、基板の反り対策を行なうために配線パターンまで考慮した基板の設計をすることが有効です。
プリント基板解析の概要
Icepakを用いた熱流体解析を実施することで、リフロー炉内を移動するプリント基板について配線パターンを考慮した温度分布(最高温度到達時)を解析し、次にAnsysを用いたプリント基板の熱応力解析を行い、以下の解析結果を把握することで、反りの対策材料とします。
- リフロー時の加熱により、どこまで基板が温度上昇するのか?
→ Icepakにおいて熱流体解析を実施し、温度分布の検証を行います。 - その温度分布によって、最大どこまで変形しうるのか?
→ 熱流体解析で得られた温度分布を使用してAnsysにて熱応力解析を実施し、反り、応力等の検証を行います。
解析事例
解析モデル
配線パターンを考慮した個片9枚の定尺基板をモデルとします。

解析モデル

配線パターン
解析作業の流れ

手順1
Icepakにて熱流体解析を行い、基板の温度分布の結果を得ます。

手順2
Icepakで定義されている形状データをDesignModelerに取り込み、形状修正を行います。
(※基板定尺部と基板個片が重なっているため、囲い込み機能を使用して形状を修正)

手順3
DesignModelerで修正された形状モデルとIcepakで得られた温度分布をAnsysに読み込みます。
手順4
Ansysで熱応力解析を実施し、以下の結果を得ます。

相当応力解析図
チップの周辺が歪んでいる様子が分かります。

相当弾性ひずみ図
チップ周辺の応力が高くなっている様子が分かります。

トータル変位図
基板全体の変位の様子が分かります。