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製品情報

PRODUCT

輝度配光スペクトル測定器

Phelos

有機ELの配光スペクトルを自動で測定できる測定器

Phelosは有機ELの発光スペクトルを広範囲の角度で自動で測定することが可能です。ボトムエミッション素子に対しては半円筒形のレンズと組み合わせることで基板を導波する光も取り出して測定することが可能です。
発光効率を計算したり、偏光特性の測定・解析により、デバイス内部の発光分子の配向などのパラメータ情報を得ることも可能です。

利用用途 有機EL
測定項目 効率測定(EQE、lm/W、cd/A(電流効率))、角度ごとのスペクトル・色度座標、色温度・CIEプロット・ピーク波長・積分放射輝度
仕様
  • 角度範囲:±85°、分解能<0.5°
  • 波長範囲:360-1100 nm、分解能 2.5nm
  • 最大印加電圧:±20V
  • 最大印加電流:±120mA、、最小測定可能電流:< 100pA

Characterization Suite リリース情報

※Characterization Suite は Paios・Phelos・Litosの測定・制御ソフトウエアです。

リリース時期:2019年9月

概要

Fluxim Characterization Suiteのバージョン4.2には以下の機能が導入されています。

  • Automated Measurement Table(自動測定テーブル)用の新しいMulti-LED拡張
  • Key ResultsとExport機能の改良
  • Setfos Integration モジュールにおけるionic drift-diffusionソルバーの統合
  • Setfos Integrationモジュールによるパラメータフィッティング向けの新しいアルゴリズムsimulated annealing
  • Phelosデータに対する、EQEとlm/Wの後処理

その他多くの機能の追加と改良を行いました。

Multi-LEDモジュール

  • DC/AC/過渡実験に使用できる15個の単色LEDをAutomated Measurement Table(自動測定テーブル)に追加します。
  • スペクトロメーターを使えば、LEDの強度を絶対的に較正でき、太陽電池の外部量子効率を計算することができます。
  • 波長は、300〜1600nmの範囲でカスタマイズできます。

異なる波長のLEDを使用することで、吸収特性や吸収する層に影響を与えることができ、(例えば赤外)有機フォトディテクタやペロブスカイトフォトディテクタを調べることができます。
Multi-LEDモジュールはAutomated Measurement Table向けの拡張で、OLED用、スペクトルモジュール、全ての温度モジュールとも互換性があります。

Multi-LEDモジュールを使うことで様々な太陽電池のEQEを調べることができます。

Setfos Integration

  • SetfosをCharacterization Suiteと統合させることで、PaiosとPhelosで行える実験をシミュレーションできます。
    Setfosの光学モデルとDrift-diffusionモデル(の両方もしくは一方)を測定データにフィッティングすることでパラメータ抽出が可能になります。
  • ”Simulated Annealing”というフィッティングアルゴリズムをSetfos Integration機能群に追加しました。
    初期パラメータへの依存性がより少ないため、グローバルフィッティングに有益です。
  • インピーダンス分光、IMPS(intensity-modulated photocurrent spectroscopy)、IMVS(intensity-modulated photovoltage spectroscopy)の実験を過渡ステップ応答シミュレーションから計算することが可能です。
    可動イオンを含むペロブスカイト太陽電池もしくは電気化学発光セルのACモデリングが可能になります。

※ペロブスカイト太陽電池の測定とモデリングに関する最新の論文はこちらで見ることができます。

この変調実験における可動イオンの影響は、Characterization Suite4.2のSetfos Integrationを使って簡単に調べることができます。

特長

基板モード光の取り出し

Phelosは半円筒形のレンズを使うことにより、ボトムエミッション素子の基板を導波する光も取り出して測定することが可能です。

様々なサンプルの測定モード

Phelosは有機ELの発光スペクトルだけでなく、励起光を照射することによりPL(Photoluminescence)や量子ドットによる散乱・ダウンコンバージョンの評価も測定可能です。

Phelosによる測定とSetfosによるシミュレーションの連携

発光スペクトルの角度変化を測定し、Setfosによるシミュレーション結果をフィッティングすることで、発光材料分子の配向や、発光層内での発光分布の推定が可能です。

適用例

Phelosは、有機ELのスペクトルを複数の角度で測定します。有機ELの効率は、測定されたスペクトルを角度・波長で積分することで計算されます。強度や色の角度変化と全体の効率が、外部積分球を必要とせずに一度に測定できます。 SetfosシミュレーションはPhelos制御ソフトウェアに統合されているため、発光層内の発光分子の向きや発光位置などの内部デバイスパラメータを抽出できます。  

s偏光およびp偏光の強度の角度依存性を分析することによって、発光層単体の薄膜または有機ELデバイスにおける発光分子の配向を、高精度の双極子放射シミュレーションによりフィッティングで求めることができます。この抽出方法は、多くの文献で実証されています。 Phelosの測定は、ワンクリックで開始されます。