CYBERNET

資料ダウンロード|分野別ソリューション

IPMモータの多目的最適化

地球温暖化・省エネ、材料価格の変動、用途に応じた快適さなどを背景に、モータ設計にはより一層の性能アップ・コストダウンや付加価値による他社との差別化が求められています。本事例では、IPMモータを対象とした形状最適化解析を実施し、振動を低減する解の探索を行います。また、得られた最適解について音響解析を行い、騒音を解消できたか確認します。駆動トルクと変形量にはトレードオフの関係があるため、高性能・低振動のモータ設計においては、電磁界解析だけでなく、構造解析を含めた複合領域での多目的最適化を行うことが有用であることが示されています。

振動を低減する解の探索

最適化解析とは、出力パラメータ(駆動トルク、コギングトルク、変形量など)の目標を達成するため、入力パラメータ(寸法や位置、材料など)の最適な組み合わせを求める解析です。駆動トルク、コギングトルクの解析には電磁界解析、変形量の解析には構造解析(振動解析)を利用し、連携させる必要があります。最初にANSYS Workbenchでの一連の解析を自動で行えるようにOptimusで自動化の設定を行います。

最適化アプローチ

実験計画法(ラテン超方格法)によるサンプリングを実施し、サンプリング結果のプロット解析や、応答曲面モデル(Kriging法)を作成する詳細解析により設計空間の分析を行います。具体的には、各変数の相関散布図や、各出力パラメータごとにバブルプロット、Sobol指数、寄与度を確認し最適化を検討します。また、磁石材料による違いを検討するため、Sobol指数や応答曲面モデルを確認します。左図に示すように、分析により駆動トルクと変形量にはトレードオフの関係があることが明らかになりました。

多目的最適化とその考察

変形量の最小化と駆動トルクの最大化を目的関数とし、NSEA+と応答曲面モデルを利用して多目的最適化を実施します。その後、パレート最適解がどのような設計変数の値をとるのか、トレードオフチャートで確認します。変形量が低いほど青く、トルクが高いほど赤いラインで表示されています。スロット間厚みと磁石幅はグラデーションとなっています。スロット間厚みが小さいほど、磁石幅が小さいほど変形量が小さくなっています。パレート解のトルクと変形量のバランスをこの2つの変数でとっていることがわかります。

パレート解の比較

パレート解のうち、変形量重視のパレート解3と、トルク重視のパレート解99について詳細を確認します。パレート解3は変形量を改善した解ですが、振動解析の結果のコンター図からもわかりますように、初期形状に比べ大幅に変形量を低減しています。パレート解99はトルクに重みがおかれた解ですが、変形量も初期形状より改善していますし、コギングトルクもより抑えることができています。

音響解析

得られた最適解について音響解析を行い、騒音を解消できたか確認します。Workbench Mechanicalの無償拡張機能Acoustic Extension(Mechanical以上のライセンスが必要)を使用します。初期値と比較すると、パレート解3、パレート解99ともに音圧レベルを下げることが確認できます。

*続きはダウンロードしてお読みください。

お問い合わせ

サイバネットシステム株式会社
Noesis 製品問合せ窓口

optimus_info@cybernet.co.jp

メールでのお問い合わせも承っております。
Noesis 製品に関するご質問はお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら