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公差解析における品質工学活用の検討

公差解析とは、設計時に設定された公差値の中で製造された製品を組立てることで、組立て品質がどの程度ばらつくかを検証することを目的に行う、公差値の積み上げ計算です。その結果をもとに製品として正しく機能するか、また、製造することが可能か否かの判断を行います。

本研究では、医療現場で使用される手術用の鉗子を対象として、寸法値を変更したときのプッシュロッド位置の変化をCETOL6σで繰り返し計算します。最適化設計支援ツールOptimusを用いてこの作業を自動化し、寸法の公差値の最適解を探索します。

手術用の鉗子のプッシュロッド位置

手術用の鉗子は、トリガーを引くとプッシュロッドが移動してカートリッジに収納されているクランプを押し出し、先端部が対象の人体組織を挟んで把持します。この際、プッシュロッド移動量が設計値に対して小さい場合は把持力が低下し、大きい場合は把持力の上昇とともに、クランプへの応力集中などが懸念されます。そのため、プッシュロッドの位置のバラツキが規格値として管理されています。

許容差設計

許容差設計のため、直交表に割り付ける因子は誤差因子となります。公差を与える寸法を因子とし、その公差値を水準値としました。また、品質工学の損失関数に基づき、安全係数による許容差の決定を行ないました。直交表で決定した実験ケースに従って、寸法値の変更とプッシュロッド位置の測定をCETOL6σで繰り返し実行します。最適化設計支援ツールOptimusを用いてこの作業を自動化します。

プッシュロッド位置の標準偏差

実験結果により、効果の大きな因子が特定できました。ここで、モーメント法を利用してプッシュロッド位置のバラツキを見積もります。出力をy=f(x1, x2, …, xn) とすると、それぞれの因子xiによる偏微分係数の2乗と、標準偏差の2乗の掛け算を総和することで、出力yの標準偏差σの2 乗を得ることができます。Optimusの応答曲面モデル作成機能により、最小2乗法を用いた線形項のみの多項式近似を行ない、その多項式の項の係数を偏微分係数に利用しました。

寄与が大きい因子の公差値修正

式によりσ=0.11が得られましたが、これは目標値σ=0.09を上回る値でした。そのため、プッシュロッド位置への寄与が大きい因子(ストッパ面位置A、トリガー接触ピン位置A、ピストン押出部位置、プッシュロッド先端部位置)の公差値を、目標値を満たせる範囲に修正し小さくしました。その結果、目標値のσ<0.09を満たし、必要以上に公差を変更することなく、コストを考慮した許容差を満たすことができる結果を得ることができました。

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