資料ダウンロード
半導体ウェハの光学式欠陥検査シミュレーション
~S-matrixの活用による装置条件探索の高速化~
Ansys Lumerical
解析分野 : 電磁界解析、フォトニクス解析、波動光学的解析 業界:半導体
解析概要
半導体製造の歩留まり向上に直結する、光学式欠陥検査は最適な結像/照明条件の探索が必要不可欠です。この工程を光学シミュレーションを用いて行う場合、従来の方法では結像/照明条件ごとにFDTDなどの電磁場シミュレーションを行う必要があり、時間がかかります。本解析ではこのような課題に対して、フォトニクス解析ソフト・Ansys LumericalによるFDTD解析とS-matrixを活用したワークフローで、条件探索を高速化します。
※本解析は以下の解析事例を参考としています。
Optical Defect Metrology (S-Matrix) – Ansys Optics
解析目的および解析手法
背景と目的
半導体プロセスの微細化に伴い、検出すべき欠陥サイズは非常に小さくなり、欠陥サイズが小さくなることにより散乱光は弱くなります。これに対し、周期構造(SRAMパターン)を持つようなウェハでは、構造起因の回折光や正反射光が背景信号(バックグラウンド)として強く残り、微小な欠陥信号を埋もれさせてしまう問題があります。そのため、半導体の欠陥検査においては適切な結像/照明条件化で欠陥検出を行う必要があります。
解析対象
SRAM構造+酸化膜欠陥(20nm)

図1 解析に使用したモデル
解析手法と解析結果
Step 1: S-matrixの構築(FDTD解析)
構造に対し、多角度・多偏光の平面波を入射させ、その応答を計算します。取得した反射・散乱電磁場分布を遠方界に投影し、角度・偏光成分に分解します。この入出力関係からS-matrixに格納します。一度構築したS-matrixは、波長や構造が同一である限り、あらゆる装置条件の計算に再利用可能です。
Step 2: 光学系応答計算・最適化(ポスト処理)
照明系と結像系の特性を、OTF(光学伝達関数)として定義します。像面電場は、照明OTF、S-matrix、結像OTFの積としてスクリプト計算されます。FDTD計算を伴わないため、数千通りの条件検討も瞬時に完了します。

図2 明視野条件で得られる像面での光の強度

図3 暗視野条件で得られる像面での光の強度
まとめ
S-matrixを算出することによりFDTD計算の回数を削減し、数千通りの結像/照明条件の探索を高速化します。また、NAや結像/照明条件などの装置仕様を、経験則ではなく物理的に理由のある数値として決定する環境を構築できます。
