IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)
IOWN とは
IOWN(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network) とは、NTTが2019年に発表した革新的な光・無線ネットワーク構想です。従来の電子技術の限界を超え、光技術(フォトニクス)を中核とした次世代通信インフラの実現を目指しています。2030年頃の本格的な実用化を目標に、現在も積極的な研究開発が進められています。
IOWNは現在のインターネット技術が抱える消費電力の増大、遅延、容量不足といった課題を根本的に解決することを目的としており、ネットワークから端末まで、あらゆる箇所に光技術を導入することで、飛躍的な性能向上を実現します。
IOWN構想の3つの主要技術

1. オールフォトニクス・ネットワーク(APN: All-Photonics Network)
ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入し、現在のエレクトロニクス(電子)ベースの技術では困難な、圧倒的な性能向上を実現します。
具体的な特性目標として、以下3点を掲げています。
- 光電融合技術により、信号をできるだけ光のまま伝送することで、電力効率を100倍に向上する
- マルチコアファイバなど新しい光ファイバ技術を活用することで、伝送容量を125倍に拡大する
- 情報圧縮なしでの高速伝送を実現し、エンド・ツー・エンド遅延を200分の1に短縮する
2. デジタルツインコンピューティング(DTC: Digital Twin Computing)
現実世界のモノ、ヒト、社会システムをサイバー空間上に高精度で再現する技術です。
従来のデジタルツインの概念をさらに発展させ、複数のデジタルツインを自在に組み合わせることで、新たなサービスやアプリケーションの創出を可能にします。
3. コグニティブ・ファウンデーション(CF: Cognitive Foundation®)
あらゆるICTリソースを全体最適に調和させ、ネットワーク、コンピューティング、データなどのリソースを需要に応じて動的に配分・制御する技術です。
AIによる自律的な制御により、システム全体の効率を最大化します。
社会への影響と将来の展望
IOWNは既に段階的な実用化が始まっています。2023年3月にはNTT東日本・西日本がAPN IOWN1.0の商用サービスを開始したほか、NTTは IOWN Global Forum を通じて、インテル、ソニーをはじめとする世界の主要企業と連携し、IOWN技術の標準化と普及を推進しています。
IOWNの実現により、現在のインターネットの限界を超えた、持続可能で高性能な通信インフラが構築されます。特に製造業においては、リアルタイムでの高精度デジタルツイン、AI処理の高速化、エネルギー効率の大幅な向上などが期待されています。
カーボンニュートラルの実現に向けても、IOWNの低消費電力特性は大きな貢献が期待されており、ICT分野の電力消費量削減という世界的な課題解決につながると考えられています。
IOWNの実現において最も重要な技術が、従来の電子チップに光技術を融合させることで飛躍的な性能向上を実現する光電融合技術です。
サイバネットでは、この光電融合に関する事例をはじめ、光通信分野での解析事例やオンデマンドセミナーを多数掲載しております。詳しくは以下特集ページをご覧ください。
光学用語集 一覧
あ行
か行
- 開口
- 回折
- 回折限界
- 回転2次曲面
- ガウス分布
- 可干渉距離(コヒーレンス長)
- 画角
- 加法混色と減法混色
- 奇数次非球面
- 輝度
- 球面収差
- 近軸光線追跡
- 空間周波数
- 屈折率
- GRINレンズ
- クリティカル照明
- 光束
- 光度
- 光学フィルタ
- コヒーレンス
- コマ収差
さ行
- 3次収差
- 色度図
- CCDイメージセンサ
- スネルの法則
- 最小二乗法
- 軸上色収差
- 絞り(面)
- 射出瞳
- 周辺光量比
- 主光線
- 主点
- 焦点距離
- 照度
- ストレール比(強度)
- 正弦条件
- 線像強度分布
- 像高
- 赤外線カメラ
た行
な行
は行
- 波長
- 波面収差
- 光コネクタ
- 光スペクトル
- 光増幅器
- 光ファイバ
- 非点収差
- ビネッティング
- 標準偏差
- ファブリペロー干渉計
- ファラデーローテータ
- ファーフィールド・ニアフィールドパターン
- フライアイレンズ
- フーリエ分光
- ベジエ曲線
- ペッツバール和
- ペロブスカイト太陽電池
- 放射輝度
- 放射強度
- 放射照度
- 放射束
