変分オートエンコーダ (Variational Autoencoder; VAE)
変分オートエンコーダ(Variational Autoencoder; VAE)とは、深層学習に基づく生成モデルの一種です。
標準オートエンコーダとの共通点と相違点
入力データを低次元の潜在空間に圧縮(エンコード)し、その潜在空間表現から元のデータを復元・生成(デコード)する点ではオートエンコーダと似ていますが、VAEは潜在空間に確率的な構造を導入している点が大きく異なります。
標準的なオートエンコーダが、入力データを忠実に再構成することを目的とし、その過程でデータの次元削減や特徴抽出を行うのに対し、VAEの主な目的は、学習データに類似した新しいデータを生成することにあります。
VAEにおける潜在空間の特徴と分布仮定
標準オートエンコーダの潜在空間は、学習データがどのようにマッピングされるかに依存した不定形なものになりがちで、その空間上の任意の点から意味のあるデータを生成することは困難です。一方、VAEは潜在空間に特定の確率分布(通常は標準正規分布)を仮定し、エンコーダが入力データをその潜在空間上の確率分布(例えば平均と分散)にマッピングするように学習します。
