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勾配ブースティング (Gradient Boosting)

勾配ブースティングは、データサイエンスや機械学習の分野で非常に強力な手法として知られています。複数の「弱学習器」(単体ではそれほど高い精度を持たないモデル、しばしば決定木が用いられます)を逐次的に構築し、それらを組み合わせることで、より高精度な予測モデルを作り上げるアンサンブル学習の一種です。 

代表的な勾配ブースティング系アルゴリズム

具体的なモデルは以下のようなものがあります。 

  • XGBoost (eXtreme Gradient Boosting)
  • LightGBM (Light Gradient Boosting Machine)
  • CatBoost (Categorical Boosting) 
 

 

勾配ブースティングの仕組み

この手法の核となるのは、「勾配」という考え方と「ブースティング」のアプローチです。ブースティングでは、最初の弱学習器がデータに対して予測を行い、その予測と実際の値との誤差(残差)に着目します。次の弱学習器は、この誤差を小さくするように学習します。このプロセスを繰り返し、それぞれの弱学習器が前段のモデルの苦手な部分や誤りを補正していくことで、モデル全体の精度を高めていきます。 

「勾配」は、この誤差を最小化するための方向を示します。勾配ブースティングでは、予測誤差を表す損失関数の勾配を利用して、次にどのような弱学習器を、どの程度重み付けして追加すれば誤差が効果的に減少するかを決定します。これは、まるで山を下る際に最も傾斜のきつい方向(勾配の逆方向)に進むことで素早く谷底(最小値)に到達するイメージに似ています。 

CAEサロゲートモデルにおける勾配ブースティングの活用

勾配ブースティングはCAEサロゲートモデルの精度を向上させるための強力なツールとして活用されます。CAEシミュレーションから得られる大量の入出力データを学習データとして使用することで、勾配ブースティングモデルはシミュレーションの複雑な挙動を高精度に捉えることができます。逐次的に誤差を修正していくブースティングのアプローチは、多様な条件下におけるシミュレーション結果の正確な予測に貢献します。

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