CYBERNET

遺伝的アルゴリズム (Genetic Algorithm: GA)

遺伝的アルゴリズムは、自然界における生物の進化のメカニズム(選択、交叉、突然変異など)を模倣して、複雑な問題に対する最適な解やそれに近い解を探索する進化的アルゴリズムの一つです。
データサイエンスや機械学習の分野では、モデルのハイパーパラメータ最適化や特徴量選択、さらには複雑なシステムの設計最適化などに利用されます。
 

遺伝的アルゴリズムの探索手順

初期個体群の生成

複数の候補解(「個体」)をランダムに生成します。 

適応度の評価

それぞれの個体について、問題解決における「良さ」(「適応度」)を評価します。目的関数(最適化したい指標)が良いほど適応度が高いとみなされます。 

選択

適応度の高い個体を優先的に選択し、次の世代を生成するための親とします。 

交叉

選択された親個体の情報(遺伝子)を組み合わせて、新しい個体(子)を生成します。多様な解を探索するのに役立ちます。 

突然変異

子個体の遺伝子情報をランダムに少しだけ変化させます。これにより、探索空間の新たな領域を探索し、局所最適解に陥るのを防ぎます。 

世代交代

生成された子個体群を新たな世代とし、収束するまでステップ25を繰り返します。 

設計最適化における遺伝的アルゴリズムの活用

遺伝的アルゴリズムは設計最適化の強力なツールとなります。例えば、「構造物の強度を保ちつつ質量を最小化したい」「放熱性能を最大化する部品形状を見つけたい」といった問題は、多数の設計パラメータ(形状寸法、材料特性など)の組み合わせの中から最適なものを見つけ出す複雑な最適化問題です。
遺伝的アルゴリズムは、この広大な設計パラメータ空間を効率的に探索し、目的とする性能を満たす優れた設計解を見つけ出すのに適しています。

CAEサロゲートモデルと遺伝的アルゴリズムの組み合わせ

CAE解析結果をもとにした遺伝的アルゴリズムによる最適なパラメータの探索はよく行われますが、大規模なCAE解析の場合は現実的な計算時間で十分な探索を行うことは困難です。そこで、遺伝的アルゴリズムの各ステップで行われるCAE解析をサロゲートモデルに置き換える手法が良く取られます。遺伝的アルゴリズムをサロゲートモデルと組み合わせることで、計算コストの高いCAEシミュレーションに依存することなく、効率的かつ短時間で優れた設計解を見つけ出すことが可能になります。これは、製品開発のリードタイム短縮や性能向上に大きく貢献するアプローチと言えます。

お問い合わせ

サイバネットシステム株式会社
製品お問い合わせ窓口

AI-info@cybernet.co.jp

3次元の形状生成AI​による「シミュレーションの高速化」や「形状の最適化」に関するご質問・ご相談などございましたら是非お問い合わせください

お問い合わせフォームはこちら