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特徴量エンジニアリング (Feature Engineering)

特徴量エンジニアリングとは、機械学習モデルの性能を最大化するために、元の生データから新しい、より情報量の多いあるいはモデルが学習しやすい形の特徴量(入力変数)を作成・変換するプロセスです。
これは単に強力な機械学習アルゴリズムを選ぶことと同様、あるいはそれ以上にモデルの精度や汎化性能に大きく影響を与える重要なステップです。生データからは読み取ることが困難な、データ固有の知識を与えることでデータの中に隠されたパターンや関係性をモデルが捉えやすくすることが目的です。
 

CAEサロゲートモデルにおける特徴量エンジニアリングの重要性

特徴量エンジニアリングはCAEサロゲートモデルの構築においても重要です。
CAEシミュレーションの入力は形状パラメータ、物性値、境界条件など、出力は応力、ひずみ、温度、流速分布など多岐にわたります。
これらの生データをそのまま機械学習モデルに入力しても、必ずしも効率的または高精度な学習ができるとは限りません。

入力データに対する特徴量作成の例

CAEデータサイエンスでは、エンジニアリングの専門知識(構造力学、熱伝達、流体力学などの物理法則や、シミュレーションの振る舞いに関する知見)を活用して、以下のような特徴量を作成します。 

  • 入力データに対する特徴量作成:
    CAEシミュレーションのインプットパラメータから、物理的な意味を持つ新しい特徴量を作成します。例えば、単純な寸法のリストではなく、アスペクト比、断面積、特定の荷重がかかる点の座標、材料の特性を組み合わせた無次元数などを特徴量として使用することで、モデルは現象の本質をより捉えやすくなります。
  • 出力データからの特徴量抽出:
    シミュレーションの出力結果(例えば、応力分布全体)から、エンジニアリング的に重要な情報を抽出して特徴量とします。最大応力、特定の危険箇所の応力集中係数、変位の最大値、固有値、特定の物理量が閾値を超える領域のサイズなどがこれにあたります。高次元の出力データを低次元の有用な情報に集約する作業とも言えます。

サロゲートモデル精度への影響

特にCAEのサロゲートモデルを構築する際には、特徴量エンジニアリングがモデルの精度と効率を決定づけます。
シミュレーションのインプットをどのように特徴量としてモデルに与えるか、また予測対象とするアウトプットをどのような特徴量として定義するかが、サロゲートモデルの予測精度に直結します。適切な特徴量を用いることで、より少ないデータ点でも現象の複雑さを捉え、頑健なモデルを構築することが可能になります。

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