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キオクシア株式会社 様

世界最大規模のメモリ製造工場の安定稼働を支える
データベース可視化ソリューション「MAJESTY」

キオクシア株式会社 様

フラッシュメモリやSSDの開発・製造・販売で世界をリードするキオクシア株式会社(以下、キオクシア)。同社における最大のメモリ製造拠点が四日市工場である。AIを活用した最先端のスマートファクトリーである同工場は24時間365日の稼働が行われており、製造システムの安定運用は至上命題だ。そこで課題として浮上していたのが、データベースの性能劣化による製造システムへの影響を回避することだった。この課題を解決するソリューションとして選択されたのが、シスバンクのデータベース可視化ソリューション「MAJESTY」である。

24時間365日稼働し続ける製造システムのデータベース性能の
維持・向上が課題

キオクシアは、フラッシュメモリやSSDの開発・製造・販売を手掛ける半導体メーカーである。そうした同社のメモリ製造の一大拠点となっているのが、四日市工場だ。敷地面積は東京ドーム約14個分の69万4,000㎡を有し、フラッシュメモリ工場として世界最大級の規模を誇るとともに、近年のメモリ需要の増加に対応するべく2021年春から新たに第7製造棟の建設も開始し、生産能力の増強に努めている。また、四日市工場はAIを活用した最先端のスマートファクトリーでもある。数千台の製造装置や検査装置からは日々、40TBもの膨大なデータが生成され、それらのビッグデータを収集、AI 技術で解析することで生産性向上につなげてきた。

そうしたキオクシア四日市工場の喫緊の課題として浮上していたのが、データベースの性能問題を解消し、製造装置のさらなる安定稼働を実現することだった。同社 四日市工場 IT推進部 製造システム基盤担当 参事の西野 直道氏は、「製造装置は24時間365日稼働し続けており、製造工程ごとにシステムで自動制御されています。


キオクシア株式会社 四日市工場(左から)
IT推進部 製造システム基盤担当 齋田 達哉氏
同部 製造システム基盤担当 参事 西野 直道氏
同部 製造システム基盤担当 主務 西島 成氏

万が一、いずれかの工程のシステムに障害が発生したらモノづくりが止まってしまうため、その安定稼働の維持は至上命題でした」と話す。

だが、パフォーマンスの劣化といったトラブルが発生することもあり、かつ、データベースに起因するものも少なくなかったという。

「システムを停止することなくデータベースの性能問題の原因を調査するのは至難の業で、結果、解決にも多くの時間を要していました。そうしたトラブルの原因を迅速に究明して解決することはもちろん、性能劣化の予兆を検知し事前に対処できる仕組みが求められていたのです」(西野氏)

米国特許取得の「アクセスパターン分析」とエージェントレスを評価し「MAJESTY」を導入

このようなデータベースに関する問題を解決したのが、シスバンクが開発し、サイバネットシステム(以下、サイバネット)が提供するデータベース可視化ソリューション「MAJESTY」だ。最大の特徴は、米国特許を取得した独自開発の「アクセスパターン分析」の実装にある。この技術は、SQL単体での分析ではなくすべてのSQLのテーブルへのアクセスをパターン化しパターン単位で分析するというもので、データベースの性能問題の原因究明を大幅に効率化するもの。さらに改善ポイントを客観的に可視化できるアクセス効率の評点化機能や、最適なインデックス設計を自動的にアドバイスする

「インデックス設計ガイド」「インデックス最適化ガイド」も提供されている。「これらの機能に加え、エージェントレスであるためデータベースを停止させたり負荷を与えたりすることなく導入、運用が行えることもポイントでした」と西野氏は話す。

キオクシアは2019年12月末からMAJESTYのPoCを実施、既存システムへの影響度や操作方法、効果について検証を行い、先に述べた問題の解決に有効であることを確認。同社 IT推進部 製造システム基盤担当 主務の西島 成氏は「サイバネットとシスバンクがMAJESTYの操作や分析の最善手をレクチャーしてくれる『分析会』を何度か開催してくれたので、分析のための勘所もすぐに掴むことができました」と話す。

障害の予兆をいち早くつかみ、いち早く解決する「予防保全」を目指す

PoCの結果を評価し、キオクシアはMAJESTYの導入を決定。運用を開始して以後、多くのメリットを享受できている。同社 IT推進部 製造システム基盤担当の齋田 達哉氏は、「アクセスパターン分析を行った後に、自動的に出力されるインデックス情報を詳細に見れば、それが最適なものであるのか、そうでないのかがすぐに分かります。さらにインデックスの改善ポイントを自動でアドバイスしてくれる機能も有用です。その情報をもとに検証環境を立ち上げ、効果があった場合に本番環境に反映させるといった運用が行えています」と語る。西島氏も「性能劣化が生じているデータベースについてMAJESTYを使って調査を行ったところ、インデックスが付されていないことが判明しました。そこでインデックス付けを行ったところ、CPUの使用率を7%ほど改善できました」と話す。

また、これまではデータベースに精通する社内のエンジニアに性能劣化の原因調査やパフォーマンス改善を依頼し、対応してもらっていたが、そのような人材は限られているため、依頼から改善まで数週間待たなければならないこともしばしばだったという。しかし、「MAJESTYを導入したことで、データベースエンジニアに依頼せずとも自分達でパフォーマンス劣化の原因究明が行えるようになり、改善スピードが大幅に向上しています」(西島氏)。

そして、MAJESTYの導入によってもたらされた最大の効果は「安心感」にある。西野氏は、「データベースのCPU使用率が上がったり、瞬間的に負荷が上昇したりした際にもMAJESTYを参照すれば、すぐにその原因が分かり、対処できるようになりました。製造システムの安定稼働の維持を最重要ミッションとする私たちにとって、大きな安心感が生まれています」と評価する。

今後、キオクシア四日市工場は、MAJESTYを活用したデータベースの予防保全を実現していきたいという。すなわち、データベースの性能劣化の兆候をいち早く察知し、トラブルが発生する前に対処するという運用である。西野氏は「現在、シスバンクはMAJESTYの次期バージョンで予防保全運用を支援するユーザーインターフェースを設計中とのことで、その実現にとても期待しています。その機能を活用してデータベースの予防保全運用を実現し、さらなる製造システムの安定維持に努めていきたいと考えています」と、今後の展望について語った。

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