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2022.6

身近なところから意外なところまで!IoTの活用事例を紹介

競争力低下や労働力人口減少などの課題を抱える製造業では、デジタル技術の進化とともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。
製造業のDXの文脈で鍵となる要素が、スマートファクトリーです。

そこで本記事では、スマートファクトリーの特徴やメリットをふまえた上で、国内のスマートファクトリーの事例を紹介します。
スマートファクトリーの導入を検討している方、国内のDXの最新トレンドについて興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

IoTとは?

IoTとはInternet of Thingsの略称で、「モノのインターネット」と訳されます。
物理的な「モノ」がインターネットに接続することで、通信機能を持つことを意味します。

従来、インターネットはコンピューターやサーバーなどのIT機器が接続することにより、互いに通信し合うために用いられていました。しかし、近年では少子高齢化による労働力不足や、消費者ニーズの多様化・IT技術の発展などにより、インターネットを利用した新たな形態の製品やサービスへの需要が高まっています。
そこで、スマートフォンやタブレットをはじめ、冷蔵庫や洗濯機・エアコン・照明などの家電製品や自動車・産業用ロボットなど、あらゆるモノがインターネットに接続し、情報をやり取りするようになりました。

IoTは、モノ(デバイス)に搭載されるセンサや感知システムから情報を取得し、インターネットを介して、クラウドやアプリケーションなどでデータを集約・分析します。
IoTの主な機能は、モノの状態や動作の検知・モノの遠隔操作・モノ同士の通信制御です。

IoTを利用した身近な製品の例として、外出先から電源や温度設定を操作できるエアコンが挙げられます。他にも、GoogleアシスタントやAlexaなどのスマートスピーカーは、インターネットに接続することで、音声だけで間接的に他の機器を操作できます。

IoTは暮らしを豊かにする商用の製品だけでなく、ビジネスや産業を効率化させるための戦略や手段としても有効的です。幅広い分野においてIoTの活用が進んでいます。

IoTの活用事例

IoTはデバイスやアプリケーションを組み合わせることで、活用の可能性も広がります。
ここでは、製造業・物流・医療・ヘルスケア・農業・都市開発など各分野において、どのように活用されているか、具体的な事例を見ていきましょう。

製造業

製造業においては、IoTを活用した「スマートファクトリー」化が進んでいます。
スマートファクトリーでは、工場内のあらゆる機械設備や管理システムをインターネットに接続し、データを収集・分析します。
設備の消費電力量を可視化することで、リアルタイムにエネルギー消費を最適化し、コストやCo2排出量の削減が可能です。また、産業用ロボットを導入することによって、人手不足の解消やヒューマンエラーの防止にも繋がります。さらに、センサによるモニタリングによって、異常を検出し大きな故障やトラブルを最小限に抑えます。

株式会社日立製作所

ヒト・モノ・設備の情報を循環させる高効率生産モデルを確立しました。
生産計画の進捗状況を把握することで、適切に改善・対策を練ってより良い生産計画の立案を実現し、生産リードタイムやコストの削減に成功しました。

物流

物流業界では、ECサイトの市場の拡大により、多品種を少量かつ高頻度で輸送する必要性に迫られています。そこで、IoTをはじめとする先端技術を取り入れた「スマートロジスティクス」への注目が高まっています。

物流業界でのIoTの活用事例は、主に入荷から出庫までの倉庫作業プロセスと、工場から目的地への配送作業プロセスの2つに分けられます。
前者では、重量計測器やRFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれる無線通信機能を搭載した小型ICチップの活用により、倉庫内でのピッキング作業や在庫確認・仕分けやデータベースへの登録を自動化・効率化します。
後者では、輸送車に温度センサーやGPSを設置することで、精密な温度管理や輸送時のトラブルへの迅速な対応が可能です。また、無人搬送ロボットや配車管理システムを導入することで、配達員の負担を減らしながら輸送サービスを向上させられます。

ヤマトホールディングス

人と車両の健康状態を自動計測する「スマート点呼」を開発しました。
OBD診断機・バイタルセンサー・アルコールチェッカーなどのIoT機器で集計されたデータはクラウドに送信され可視化されます。あらゆる要因による交通事故の防止に貢献しました。

医療・ヘルスケア

医療・ヘルスケア分野では、IoTを活用したウェアラブル端末が話題です。
ウェアラブル端末を身につけることで、脈拍や心拍・血圧などの生体データを取得できます。生体データは遠隔地にいる医師にもリアルタイムで共有したり、モニタリングによって異常を瞬時に検出したりできます。
IoTを活用すれば、地方の医師不足問題や在宅治療の支援に効果的です。

パラマウント株式会社

より快適で安心安全な療養生活を送るための、スマートベッドシステムを開発しました。
各センサから得られた睡眠・覚醒、呼吸数、心拍数などの情報は、スタッフステーションから確認可能で、電子カルテシステムとも連携されます。

農業

従来、農家の経験や勘に頼っていた農業では、農家の高齢化や後継者不足が深刻な課題です。そこで、ロボット技術や情報通信技術を活用した「スマート農業」への関心が高まっており、IoTも応用されています。

例えば、ロボットには農薬散布を行うものから作物を自動収穫するもの、収穫物を選定・箱詰めするものなど、様々な種類があります。他にも気象や栽培環境に関するビッグデータを活用し、収穫時期の適切な見極めが可能です。

株式会社クボタ

トラクタ・田植機・コンバインなど各種農機の自動運転・無人化に取り組んでいます。 また、農機からデータを収集し、スマートフォンやパソコンと連携させることで、最適作付計画の提案や生育予測に役立てています。

都市開発

都市開発分野では、人口増減やエネルギー消費などの社会問題や、住民の多様なニーズに対応して最適なまちづくりを行う「スマートシティ」構想が、官民連携で本格的に取り組まれています。スマートシティ構想の中核を担うのが、IoTやICT技術です。

株式会社電縁

無線センサによって個室トイレのドアの開閉状況を判断し、大型ディスプレイやスマートフォン端末などでトイレの空き状況を確認できるシステムを開発しました。
待ち時間の削減や長期利用者の把握に役立ちます。

IoTの今後に注目

今回はIoTの概要とともに各業界におけるIoTの活用事例を紹介しました。
IoTは今後ますます、業種の垣根を越えて活用されていくでしょう。

サイバネットシステムでは、IoTをはじめとする包括的なDXソリューションを提供しています。IoTの導入・開発のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

サイバネットシステムでは、IoT化やデジタルツイン導入のサポートをさせていただいております。

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