課題解決Goldfireコラム因果関係や親子関係を調査する際の留意点

2023年 2月因果関係や親子関係を調査する際の留意点

Goldfireには親子関係の調査に適したレンズがありますので、例えば「自動車」という検索文を用いて、その構成部品を調べることが可能です。ところが検索文「自動車」にて、その構成部品を示すレンズを見てみても、おそらく登場するであろうピストンが見当たりません。これはどういうことでしょう。ここで自動車のアセンブリ構造を考えてみましょう。

自動車のアセンブリ構造例：
　自動車
　　├エンジン
　　│　├シリンダーヘッド
　　│　├シリンダーブロック
　　│　└ピストン
　　├サスペンション

トップアセンブリ、サブアセンブリ、パーツといった階層感を持ったアセンブリ構造になっていますね。

Goldfireのレンズは、一文内を構文解析して抽出しますので、複数の文を跨いだ記述を辿るには、一文一文を辿る必要があるのです。従って、
「自動車はエンジンやサスペンションから構成される。」
「エンジンはシリンダーヘッドやピストンを備える。」
といった記述がある場合、トップアセンブリの検索文「自動車」で調査した場合、その構成要素を抽出するレンズには、エンジンやサスペンションは出てきますが、シリンダーヘッドやピストンは出てこないのです。

つまり、トップアセンブリで検索しても末端のパーツは出てこないので、親子関係の連鎖を辿っていく必要があるということです。また、ピストンという構成部品に心当たりがあるのであれば、検索文「ピストン」ですぐ上位にあるアセンブリを調べることもできますね。

同様のことが因果関係にも言えます。「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがありますが、この表現は、最初の事象から最終結論までの中間の因果関係が「中飛び」しています。実際の因果関係を展開してみると、

「風が吹く」 → 「埃が立つ」 → 「埃が目に入る」 → 「盲人が増える」 → 「三味線需要が増える」 → 「三味線の素材である猫皮の需要が増える」 → 「猫が減る」 → 「鼠が増える」 → 「桶を齧る」 → 「桶の需要が増える」→ 「桶屋が儲かる」

となり、ここでの矢印（→）に相当する部分が、因果関係を表します。この因果関係の連鎖は、「風が吹くと埃が立つ。」「埃が立つと埃が目に入る。」と複数の文にまたがって記述されますので、親子関係と同様に因果関係も、いわゆるなぜなぜ分析のように、一つ一つ辿っていく必要があるわけです。ですから検索文「風が吹く」では、その結果を示すレンズには「桶屋が儲かる」はダイレクトには出てきません。

となると、Goldfireで親子関係や因果関係を調査するのはなかなか面倒だな、と思われるかもしれません。しかしながら構成部品なり要因なりを、先入観や固定観念抜きに調査するには、全体像を把握することがとても重要です。全体像が見えれば、見落としていたこと、あるいは知らなかったことに気づくかもしれません。

Goldfireで親子関係や因果関係を調査される際には、「中飛び」の結論を求めていないかに留意し、その連鎖を辿って調査してみてください。

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