ソリューション|コラム
ソフトウェア開発の品質とスピード向上に役立つ“ALMツール”とは?5分で学べるお役立ちコラム
ALMツール入門|ソフトウェア開発の品質・スピードを高めるしくみ
ソフトウェア開発において、短期化する開発サイクルでの品質確保が課題となる今、その解決アプローチであるALMの基礎──ALMとは何か、ALMツールで何ができるのか──を要点だけ5分で整理します。ALMツールの価値(品質向上・効率化)を、まずは概要から把握いただけます。
目次
1. ALM(アプリケーションライフサイクル管理)ツールとは?ツールの役割とDevOpsとの違い
ALM(アプリケーションライフサイクル管理)とは、要件定義から設計・実装、テスト、展開、運用、廃止に至るまでのソフトウェアのライフサイクル全体を、変更管理や監査といったガバナンスを含めて統合的に管理する枠組みです。ALMツールは、この実践を支えるプラットフォームを指します。
なお、現場ではALMとDevOpsが同じ意味で扱われることがあります。ツール選定やガバナンスに関わるため、冒頭で関係を整理します。
アプリケーションライフサイクル

DevOpsは、開発と運用の連携を文化・プロセス・自動化によって推進し、CI/CDなどを通じて迅速かつ安定したリリースを目指す実践(プラクティス)です。両者は対立関係ではなく重なり合う関係で、ALM=全体を俯瞰し統制する枠組み、DevOps=その遂行を加速させる実践として併用されます。
本記事ではこの整理を出発点として、次章以降でALMが普及する背景や具体的な効果をわかりやすくご紹介します。
2. なぜ今ALMが注目されているのか?〜環境変化と開発現場の限界〜
近年、開発現場は開発の大規模化が進む中でスピードと品質の同時達成を求められ、従来の分散管理では限界が見え始めています。こうした環境変化に対し、ライフサイクル全体を統合するALMが注目されています。
ALMが注目される背景
① スピード×品質のプレッシャー:スピードと品質の同時達成が前提となり、Excel/メール中心では可視化とレビュー統制に限界。
② 多拠点・外部連携の複雑化:多拠点・外部連携で最新情報の同期が難しく、認識ズレが品質・納期リスクに。
③ 製品の複雑化と規制対応:規制強化で要件⇔設計⇔検証のトレーサビリティと監査証跡が必須。
④ DevOps普及に伴うガバナンスの必要性:DevOps/CI/CDの加速に伴い、要件・変更・承認の一貫統制が必要。
これらの課題に対し、ALMは“全体最適”の枠組みとして以下の効果をもたらします。
ALMで解決できること
- 一貫トレーサビリティ:要求→設計→テスト→リリースをリンクで可視化し、手戻り・漏れを抑制。
- 変更管理と承認の標準化:履歴とフローを統合管理し、監査対応を効率化。
- PLM×ALM・DevOps連携:ハード(PLM)/ソフト(ALM)の整合と高速デリバリーを両立。
参照:目的別ガイド(当社コンテンツ)
- まずは概要を把握したい→ Codebeamer 製品トップ
- 監査・規制対応を強化したい→ SaMD向け ALMソリューション
- 要件〜テストを一元化し、手戻りを減らしたい→ 要件・テストの一元管理 / Codebeamer詳細
- ハード(PLM)/ソフト(ALM)連携で全体最適を進めたい→ ALM×PLM 連携ソリューション
まとめ
ALMは可視化(トレーサビリティ)と統制(変更・承認の標準化)を基盤に、①手戻りの低減、②監査効率化、③意思決定の高速化を実現します。次章で、これらを具体化するALMツール「Codebeamer」の機能をご紹介します。
3. ALMツール「Codebeamer」でできること(機能一覧と効果)
Codebeamerは、要件・リスク・テストを中核にライフサイクル全体を統合管理するALMツールです。SaaS/オンプレ両対応、アジャイル/ウォーターフォール双方に対応し、エンドツーエンドのトレーサビリティを提供します。また、Office入出力やGit/Subversion/Jiraなどとの外部連携にも対応します。

主な機能(抜粋)
- 要件管理:要件から設計・テストへの“辿れる関係”を維持。変更の影響を把握できます。
- テスト/品質保証:要件に基づくテスト計画の立案・実行・結果管理。未実施項目の把握を支援します。
- リスク管理:開発~運用でのリスク特定・緩和策の実行を一貫管理。
- DevOps連携:CI/CD等を含む開発〜テスト〜リリースの統合運用を支援。
- 外部ツール連携:Word/Excelの入出力、Git、Jiraほかと連携。
- バリエーション/プロダクトライン管理:複雑な派生開発・構成管理を容易に。
4. まとめ
本コラムでは、ALM=ライフサイクル全体の統合管理、DevOps=その実践を加速する考え方という整理を起点に、いまALMが注目される理由と、実務で支えるツール(Codebeamer)の要点を確認しました。ここまでのおさらいです。
まず押さえたいポイント
- ALMとDevOpsの関係:ALMは“全体を統合・統制する枠組み”、DevOpsは“スピードと協調を高める実践”。両者は重なり合います。
- なぜ今ALMか:短サイクル化、分散体制、規制強化、DevOpsの普及で、可視化(トレーサビリティ)と統制(変更・承認の標準化)が必須に。
- Codebeamerの要点:要件・テスト・リスクを中心に一貫トレーサビリティを確立し、変更管理とワークフローで監査まで見据えた運用に置き換えます。PLM/DevOpsとも連携可能です。
読者の方へのヒント(こんな成果が狙えます)
- 「どこが変わったか」「どこをテストしていないか」がすぐ追えるようになり、手戻りが減る。
- 変更の理由と承認履歴が自動で整うので、監査や是正が進めやすい。
- 拠点や部門が違っても同じ最新版で議論でき、意思決定が速くなる。
- CI/CDのスピード感を保ったまま、追跡性と品質を両立できる。
もう一度参照するなら
- 定義や位置づけを確認 → 1章
- 背景と効果を俯瞰 → 2章
- ツールでの具体像を知る → 3章(Codebeamer)
導入や適用範囲のご相談は、こちらからお気軽にお寄せください。課題の棚卸し(背景①〜④のどれに当てはまるか)から、最短距離での検討をお手伝いします。
関連する情報
関連製品・サービス
MORE
