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ソリューション|コラム

ALMツールはどう役立つ?導入のためのステップと進め方のポイント

<導入の進め方編>

本記事は<導入の進め方編>です。ALMツール導入をご検討中の方は、前編の<導入のきっかけ編>もぜひあわせてご覧ください。
ALMツール導入はいつが最適?導入時の課題や解決のヒントも解説

目次

はじめに:ALMツールが求められる背景とメリット

製品開発が高度化・複雑化するなかで、要件の変更管理・品質保証・規格対応は多くの企業にとって避けて通れない課題です。特に自動車や医療機器といった、国際規格や認証対応が厳格に求められる製造業分野では、開発プロセス全体の見える化と効率化が欠かせません。


このような背景から注目されているのがALM(アプリケーションライフサイクル管理)です。ソフトウェア開発の要件管理からテスト管理・品質管理までを総合的に管理するALMの仕組みは、今や高度化する開発に不可欠といわれています。


そして、この考え方を実現し、日常の開発現場で活用できる仕組みとして導入が進んでいるのがALMツールです。ALMツールを導入することで、要件定義から設計、テスト、監査までを一元管理でき、以下のようなメリットが期待できます。

開発プロセスの可視化と標準化

要件~テスト~不具合までのトレーサビリティ強化

規格・認証対応の効率化(Automotive SPICE、ISO 13485など)

品質向上と無駄な手戻り削減

本記事では、ALMツールの導入を検討している方に向けて、導入のステップと成功のポイントを整理します。さらに、当社が提供するALMツール「Codebeamer」と、導入を支援する伴走型サービスについてもご紹介します。

1.ALMツール導入の進め方:3つのステップ

ALMツールの導入は、単にソフトウェアを購入・インストールするだけではありません。自社の開発プロセス全体を見直すプロジェクトでもあるため、正しい順序で計画的に進めることが成功のカギになります。ここでは、導入検討時に押さえておくべき3つのステップを解説します。

ステップ1:現状の課題整理とツール選定

まずは、自社が直面している課題を明確化することから始めます。
「要件変更の履歴を追えない」「設計とテストの紐付けが不透明」など、現場での困りごとを整理したうえで、ALMツールによって解決したい目標を定めましょう。目的・要件が明確になれば、ツール導入の方向性も定まりやすくなります。

次に、候補のALMツールを比較検討し、自社ニーズに最も合うものを選定します。小規模なPoC(概念実証)を実施して、自社のプロセスに適合するかどうかを事前に検証することを推奨します。

特に注目すべきポイントは以下の点です:
✓ 必要な機能(要件管理・テスト管理など)が揃っているか
✓ 既存ツール(Jira、Git、Excelなど)からのシステム移行がしやすいか
✓ 自社の業界に必要な規格対応や認証に役立つテンプレートや仕組みがあるか

ツール選定段階で目的と要件を明確にし、本格導入前に小さく検証することで、リスクを抑えつつ安心して次のステップに進めます。

ステップ2:プロセス適合と環境構築

次に、ツールを自社の開発プロセスにどう適合させるかを検討します。

  • 要件~設計~テストまでのトレーサビリティをどう確保するか
  • ワークフローや承認ルールをどう設定するか
  • 規格要件をどのように組み込むか

こうした検討結果をもとに、ALMツール上に自社向けの環境を構築していきます。規格準拠のテンプレートを活用すれば、短期間で効率的に環境構築が可能です。さらに、既存の業務システムや管理ツールとの連携も重要です。適切に連携できなければ、情報が分断されてかえって手間が増えるリスクがあるため注意が必要です。

この段階は設計や規格対応、ツール連携など専門性が求められるため、外部パートナーの支援を活用して最適化を図る企業も少なくありません。

ステップ3:展開・教育・定着化

構築したALM環境を社内に展開し、定着させるフェーズです。まずはパイロットプロジェクト(試験的な本番プロジェクト)から始め、トレーニングで操作やルールを徹底。現場でのフィードバックを反映しながら改善を繰り返し、徐々に全社展開へと広げます。

新任担当者への教育や、規格改訂・ツール更新への対応も含め、定着化に向けた仕組みづくりが重要です。これによりALMツールが日常業務に根付き、効果を最大化できます。

まとめ

ALMツール導入は「①現状の課題整理とツール選定」「②プロセス適合と環境構築」「③展開・教育・定着」の3ステップで整理できます。一見シンプルですが、特にプロセス適合の段階では専門知識や規格対応のノウハウが求められます。

導入効果を確実に出すためには、外部支援を活用しながら自社に合った形に最適化することが成功の近道です。

当社ではALMツール「Codebeamer」の導入設計から教育・定着支援までを一貫してサポートしています。

2.ALMツール導入を成功させる3つのポイント

上記のステップを踏まえ、ALMツール導入を確実に成功させるために押さえておきたいポイントを3つ厳選します。

1. 経営層と部門横断のコミットメント

ALMツール導入は現場の部分最適化に留まらず、組織全体の開発プロセス変革プロジェクトです。そのため、経営層の明確な支援と全関係部門を巻き込んだ合意形成が不可欠です。トップダウンで目的・方針を示し各部門の協力を得ることで、導入目的が全社に浸透し現場への定着もスムーズになります。

2. テンプレートやベストプラクティスの活用

多くのALMツールには、業界規格に準拠したテンプレートや過去の成功事例に基づくベストプラクティスが用意されています。これらを積極的に活用することで、ゼロから自社用にプロセスを設計する労力を省き、導入コストを削減しながら短期間での立ち上げが可能です。効率的な規格対応やプロセス標準化を実現し、導入効果を早期に得られる点も大きなメリットです。

3. 導入後もレビューと改善を継続する

ALMツールは導入して終わりではなく、定期的なレビューと改善活動を通じて初めて成果が持続します。運用状況を定期的に確認し、課題があれば入力ルールや設定を見直すことで、品質と効率を高め続けることが可能です。さらに、業界規格や法規制の改訂にも柔軟に対応し、常に最新の状態で運用することが成功の鍵です。

まとめ

ALMツール導入を確実に成功させるには、「経営層のコミットメント」「テンプレート・ベストプラクティスの活用」「継続的な改善活動」の3点が不可欠です。これらを意識することで、ALMツールの導入効果を最大化し、開発力強化につなげられます。


ここまで、ALMツール導入のステップと成功のポイントを整理しましたが、実際には「どのツールを選べばよいのか」「自社で運用を根付かせられるのか」という不安も少なくありません。
次章では、その両面をサポートするために、当社が扱うALMツール「Codebeamer」の特長と、導入から定着までを支援する伴走型サービスをご紹介します。

*当社サイバネットシステムが扱うALMツール「Codebeamer」の特長

CodebeamerはPTC社が提供する最新世代のALMプラットフォームで、ソフトウェア開発の全工程をカバーする統合型ツールです。

従来の「タスクや不具合を記録・管理するだけの仕組み」にとどまらず、要件管理からリスク管理、テスト計画・実行、品質保証まで開発ライフサイクル全体を一つのシステム上で扱えるオールインワンのソリューションとなっています。

◆ 一元管理でトレーサビリティを確保

要件から設計、テスト、リスク管理、監査対応まで一気通貫で管理でき、開発全体を見える化します。

◆ 規格準拠テンプレートを標準搭載

  • 自動車業界:Automotive SPICE®、ISO 26262
  • 医療機器業界:ISO 13485、IEC 62304

などの国際規格に対応したテンプレートを標準搭載。規格対応を効率化し、短期間での立ち上げを可能にします。

◆ 幅広い外部ツールとの連携

Jira、Git、Excelなど既存資産との連携に対応。
既存の開発環境を活かしながら、段階的にALM環境へ移行できます。

*サイバネットシステムの伴走支援サービス

ALMツール導入は、ツール選定からプロセス適合、教育・定着まで幅広い知識が求められます。当社では以下のような伴走型支援を提供しています。

<導入前> PoC支援や運用ルール設計
<導入時> 設定・教育・トレーニング
<導入後> レビュー、改善提案、ナレッジ蓄積支援
                       規格改訂やツール更新への対応サポート

外部の専門的な支援を受けることで、導入リスクを抑えつつ確実に効果を出すことが可能です。
まずは資料請求や無料相談で、自社に合った導入の進め方を確認してみませんか?

まとめ

ALMツール導入は、①課題整理とツール選定 → ②プロセス適合と環境構築 → ③展開・教育・定着化の3ステップで進めるとスムーズです。成功のカギは、経営の後押し・テンプレート活用・継続改善。ここを押さえることで、手戻りの削減、規格対応の効率化、品質と生産性の両立が実現します。


 導入の難所は“プロセス適合”。ここを最短距離で超えるためには、PoC設計から定着支援までの伴走サービスをご活用ください。当社が扱う Codebeamerは、ライフサイクル全体の一元管理、業界規格テンプレート、Jira/Git/Office等との連携を備え、規制の厳しい領域でも導入しやすいALMツールです。
次の開発から“見える化とトレーサビリティが前提”の体制へ——その第一歩を、今日から。

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