モード信頼性評価基準(MAC)の紹介

モード信頼性評価基準(MAC)とは

モード信頼性評価基準(Modal Assurance Criterion:MAC)とは、2つのモード間の相関を表す評価基準であり、実験モード解析と理論解との比較検討では良く使用されてきた評価手法の1つです。モード信頼性評価の基準値(以下MAC値)は式-1によって算出され、2つのモードベクトルが完全に一致している場合は『1』、直交している場合は『0』となります。


式-1 MAC値の算出式

ANSYS Ver12.0より、このMAC値を計算させるためのポスト処理機能が追加され、モード間での相関を評価する事ができるようになりました。

ANSYSによるMAC値算出の手順

まず比較検討を行う2つの解析モデルにおいて、通常のモーダル解析を個別に実施します。そして、それぞれの結果ファイル(例えば『file1.rst』と『file2.rst』)を同じワーキングディレクトリに保存し、総合ポストプロセッサにてANSYS Ver12.0より新しく追加されたRSTMACコマンドを使用してMAC値を算出させます。


図-1 MAC値算出の手順

モード信頼性評価を使用するメリット

通常の設計プロセスにおいて、計算結果を基にモデル形状を修正する作業が頻繁に行われています。形状が修正される事によって構造物の振動特性が変化するため、通常はモーダル解析によって算出される固有振動数やモード形状の変化を確認します。固有振動数の変化は、数値的な変化によって簡単に確認できますが、モード形状は各モードの形状図を比較することによりその影響を確認してきました。このモード形状の影響度は、MAC値を算出する事によって数値的に評価する事ができるようになりました。
例えば図-2のようにモデルを修正して軽量化を図った場合、変更前と変更後におけるモード形状の相関を計算させる事で表-1のような結果が得られます。


図-2 比較検討の解析モデル


表-1 MAC値による評価

この結果から、10次モードまでのモード間では0.95以上の相関係数が得られ、モード形状については形状変更によってほとんど影響しない事が確認できます。さらに、TYPE1の6次モードはTYPE2の7次モードと相関関係があり、TYPE1の7次モードはTYPE2の6次モードと相関関係がある事もこの結果からわかります。これらのモード形状図は図-3のようになっており、MAC値による評価の通り、形状変更によって6次モードと7次モードが逆転しています。
従って固有振動数の変化を確認する際には、6次モード同士や7次モード同士での数値を比較する事は誤りであり、MAC値を参考にして相関関係のあるモード間での比較をする必要があります。このように、モード次数が変化してしまうような設計変更では、MAC値による評価は特に有効であると考えられます。


図-3 6次/ 7次モードのモード形状比較

また、初期応力モーダル解析やスピンソフトニング、コリオリの効果を考慮した回転構造体のモーダル解析では、モデル形状が同じであっても、条件によっては振動特性が大きく変化する可能性があります。このようなケースにおいても、MAC値による評価は非常に高い効果が期待できます。

 

続きは、CAEのあるものづくり 14号に掲載してます。


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