Mitroflow International社の心膜心臓弁開発をスピードアップ

「他のパッケージも検討しましたが、フラストレーションが溜まるので採用を取りやめました。DesignSpace (for Mechanical Desktop) を検討したとき、これだと思いました。非常に使いやすく、弊社の扱う設計にぴったりでした。」


Mitroflow International社、工学技術者
Mark Chaplin

心臓弁の劣化に悩む心臓病患者は、Mitroflow International社の開発した人工心膜心臓弁から恩恵を受けています。この心臓弁は、可動部に複合金属の代わりにウシの組織を使用しています。同社は、このユニークな心臓弁設計を、機械弁の移植に伴って一般に行われる抗凝血薬療法を嫌うまたは避ける必要のある患者のために1982年に初めて開発しました。心膜心臓弁を移植した患者は、薬を服用する必要や薬物療法の副作用に悩む心配がありません。Mitroflow心膜心臓弁が適すると思われる患者は、出産適齢期の女性、高齢の患者、および機械弁やそれに伴う薬物療法が困難な患者です。

最近、カナダのRichmondを拠点にするMitroflowの技術者たちは、設計周期の短縮に役立ち移植した心臓弁のパフォーマンスと寿命を改善するエンジニアリング・ソフトウェアの実験を開始しました。米国食品医薬局のような規制機関は、この種の製品に対して厳しい試験要求事項を定めています。Mitroflow社の技術者たちは、伝統的な3年の設計周期に注目し、最終プロトタイピングではなく初期設計中に役に立つシミュレーション・ソフトウェアを評価する必要のあることを認識しました。そして、今日ではANSYS社のDesignSpace for Autodesk Mechanical Desktop(ペンシルベニア州Canonsburg)を使用しています。

「DesignSpaceの結果は我々が行っている物理試験結果と比較して誤差が10%以内に収まっていました。」とChaplin氏は述べます。「これは期待を上回っており、最初のプロトタイプ設計に関する決定を行うには十分でした。このソフトウェアから得られる結果について高い確信を持っています。現在は、設計ツールとしてDesignSpaceを常時使用しています。」

より良い心臓弁の作成

Mitroflow社の心膜心臓弁は、ウシの心嚢から採取した組織を使用しています。ウシの組織から取った単一の組織弁が弁の小葉に作り変えられ、心臓の鼓動に合わせて開閉し血液を吐き出す働きをします。弁の小葉はステントの外側に取り付けられますが、交換対象となる患者の心臓弁の大きさにより、大きさと厚さが異なります。ステントというのは、弁の小葉を患者の心臓組織に保持する固い構造物であり、耐クリープ性のために選ばれたアセタール・ホモポリマーから作られます。ステントは重要な設計要素であり、構造強度を保ちながら、最大の有効オリフィス面積が得られるように設計しなければなりません。縫合リングは医療仕様のシリコンから成型されており、患者の心臓組織を接合し、それと調和します。縫合リングとステントは、密に編まれた医療仕様のダクロン繊維によって覆われます。

Mitroflow社の技術部長Jennifer Arntorp氏によれば、ステントは弁の耐久性と最長寿命を向上させるために埋没される弁構成要素であり、設計上重要な意味を持っています。研究によれば、旧型の心臓弁設計の場合、平均ライフ・サイクルは約10年でした(現行の12型弁の場合、インビトロ検査では生体外で劣化なしに20年持つことが分かており、生体内での予想寿命は10〜15年とされています)。Mitroflow社の技術者たちは、次世代の心臓弁の設計について、2つの主要な設計目標を持っています。それらは、(1) 移植した弁の予想寿命を15〜20年に伸ばすよう再設計すること、および (2) 従来3年もかかった製品の設計周期を短縮することです。この努力の一環として、Mitroflow社は、ステントの強度、柔軟性、および変形を検査する手段として、シミュレーション・テクノロジーの使用を検討しました。

実用的な・シミュレーション・ソフトウェア

Mitroflow International社の工学技術者Mark Chaplin氏によれば、製品開発周期を短縮し製品のパフォーマンスを改善する手段として、同社は従来の有限要素法解析 (FEA) パッケージを検討しました。しかし、従来の有限要素法解析パッケージは高価で、一般に使いにくいことが分かりました。同氏は次のように説明しています。「他のパッケージも検討しましたが、フラストレーションが溜まるので採用を取りやめました。DesignSpace (for Mechanical Desktop) を検討したとき、これだと思いました。非常に使いやすく、弊社の扱う設計にぴったりでした。」

30日の無料試用期間中に、Chaplin氏は、DesignSpaceの評価の一環として、既存の設計に対する既知の反応に照らして、DesignSpaceの結果を妥当性検査してみました。

「DesignSpaceの結果は物理試験結果と比較して誤差が10%以内に収まっていました」とChaplin氏は述べます。「これは期待を上回っており、最初のプロトタイプ設計に関する決定を行うには十分でした。このソフトウェアから得られる結果について大きな確信を持っています。現在は、設計ツールとしてDesignSpaceを常時使用しています。」

設計プロセスの改善

弁の最長寿命を伸ばすという設計目標を追求するにあたり、Mitroflow社はDesignSpaceを用いて、弁ステントの柔軟性、具体的にはステント柱のたわみを検査しています。製造工程をより単純かつ経済的にするために設計を単純化するという2番目の目標も、この作業の一部になっています。すべてのDesignSpace解析は、Pentium 120MHzと64MBのRAMを実装しWindows 95の稼動するコンピューターを用いて、Mechanical Desktop内で行いました。

「進めるべき設計を選ぶ前に、DesignSpaceを用いて様々なプロトタイプを検討しました」とArntorp氏は述べます。「DesignSpaceのおかげで、様々な筋書きを実行し、心臓弁の最適化に必要な決定を行うことができました。」

Mitroflow社のプロジェクト・チームは、2か月で次の心膜心臓弁モデルについて2サイズ分の設計を完成しました。人間の様々な心臓サイズに対応させて、Mitroflow社は各モデルについて6つのサイズを生産する予定です。心臓のサイズは体格によって異なり、多くの場合、握りこぶしの大きさと一致します。以前には、同社の技術者たちは、モデルのサイズを決めるのに6か月も費やしたものです。

「DesignSpaceを使う前は、設計の開発は実に試行錯誤の過程でした。まずアイディアを捻出し、手作業で大まかな計算を行い、続いて一連のプロトタイプ試験を行いました。DesignSpaceを使ってから、最初のプロトタイプに自信が持てるようになりました」とArntorp氏は述べます。「DesignSpaceは弊社の製品開発周期を短縮し、弊社の製品のパフォーマンスを向上させるでしょう。既にそうなっています。」

すべての医療装置製造業者がそうであるように、Mitroflow社は試験/承認に関する厳しい法的要求事項を満たさなければなりません。心臓弁の場合、このような承認過程には約9か月〜2年かかります。したがって、どんな時間の節約も非常に重要です。

非常に規制の厳しい市場における製品の設計と製造に際して、Mitroflow社はDesignSpaceから、もうひとつの恩恵を受けています。DesignSpaceで得られる結果は、Mitroflow社の規制遵守を証明しています。Mitroflow社がDesignSpaceをハートに留(とど)めているもうひとつの理由です。

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