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事例

遮音壁の音響解析

概要

高速道路や工事現場などでは、周囲への騒音被害を防ぐために、環境基本法や騒音規制法にて、発生する騒音の基準値が設けられており、その対策としては遮音壁を設けることが一般的です。WAONによる音響解析を行うことで、遮音壁の性能について定量的に評価することができ、形状などの事前検討が可能になります。

解析モデル・設定

高速道路に設置された遮音壁を想定して、図1のような解析モデルを作成しました。地面付近に点音源を設け、0~500Hzの周波数範囲における、1/3オクターブバンドの中心周波数にて解析を行いました。音源から10m離れた地点に高さ5mの遮音壁を設けており、遮音壁による騒音低減効果について確認することを目的としました。結果の評価は音の伝搬に影響を与えない観測面で行いました。また遮音壁の表面および地面は、吸音のない完全な剛体としました。

図1 解析モデル

解析結果

観測面における音圧レベルの結果を図2~4に示します。音圧レベルの分布図から遮音壁を境界に、音圧レベルが低減していることが確認できます。また音は遮音壁を回折した後は地面で反射をするため、地面を腹とした干渉縞が発生していることが確認できます。周波数が大きくなるほど、波長が短くなるため、干渉縞が細かくなっています。

図2 音圧レベル結果:50Hz

図3 音圧レベル結果:250Hz

図4 音圧レベル結果:500Hz

遮音壁による騒音低減効果を確認するために、図5に示すような、音源から25[m] (遮音壁から15[m])、地面から0.1[m]の評価点における音圧レベルの値を、遮音壁がある場合とない場合で比較しました。今回の解析では、点音源が発生させる音の大きさが、周波数によらず一定になるように設定しているため、遮音壁がないモデルでは評価点の音圧レベルがほとんど変化しないのに対し、遮音壁があるモデルでは、高周波になるほど音圧レベルが下がっていることが確認できます。

図5 遮音壁による音圧レベルの変化

高周波になるほど評価点での騒音低減効果が大きくなったのは、周波数が上がると音の波長が短くなり、回折が生じにくいためです。一方低周波では音の波長が長く、回折が生じやすいため、遮音壁による騒音低減効果が小さくなっています。そのため騒音対策を行う場合は、対象としている周波数帯を考慮した上で、検討する必要があります。

このように音響解析を実施することで、対象地点や周波数における、遮音壁の性能を評価することが可能です。

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