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事例

コンサートホールの波動論的音響解析

概要

公共施設等の大規模建築物内外の音空間設計や騒音環境等の予測のため音の数値シミュレーション(音響解析)が必要とされるケースにおいては、その解析規模の大きさから幾何学的解析手法(音線法)といった音をエネルギーとして捉えて解析する手法が使用されることが多いですが、音波の干渉や回折といった音の波動としての特性を精度よく捉えるには、有限要素法(FEM)や境界要素法(BEM)などの波動論的手法がより有効です(図1)。従来のFEMやBEMでは解析規模の点から大規模空間の解析は非常に困難でしたが、FEMに対してサーフェスメッシュしか必要としないためメッシュ数自体が少ないこと(図2)、また従来型のBEM手法に対してメッシュ(自由度)の増加数に対する計算量・必要メモリの増加のオーダーが一つ低いFMBEMを用いることにより(図3)、WAONではコンサートホールのような大規模空間に対してもある程度の周波数までの波動論的音響解析が可能となりました。

解析例

WAONにより2,336席規模のコンサートホールの内部空間(座席はなし)について1500Hzの周波数の音の解析を実施しました。境界要素数はおよそ800万要素、受音点(空間の結果出力点)として床から1.2mの位置に約100万点の音圧結果を出力しています(図4)。音波の反射による干渉が起こり、音圧に縞のような分布が出来ている様子がわかります。

本事例では、計算用のややスペックの高いものではありますが、以下のように一般的なワークステーションにて計算が可能でした。

  • CPU:Intel Xeon CPU E7-4830 v4 2.00GHz
  • 使用メモリ:約294GB
  • 計算時間:28.1時間

図4:コンサートホール内音圧分布(1500Hz)

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