事例
ヘルムホルツレゾネータ・音響メタマテリアルの吸音特性予測
こんな方におすすめ
- 騒音低減にヘルムホルツレゾネータや音響メタマテリアルの使用を検討されている方
- 効率的に吸音できるヘルムホルツレゾネータや音響メタマテリアルを設計・開発されたい方
- 試作・実験前にレゾネータの性能を数値計算で検討したい方
背景
ヘルムホルツレゾネータは小さな空気孔の背後に大きな容積の空気がある構造で、孔部の小さな空気が質量、背後の大きな空気がバネとして考えたときにバネマス系が共振する現象で、孔部空気が共振周波数で大きく振動し、粘性等の効果により音が大きく減少します。一般に音の低減が難しいとされている低音域・中音域でも有効なため、近年音響メタマテリアルなどでも使用されますが、共鳴器の性質上消音できる周波数幅は共鳴周波数付近の狭い帯域に限られるため、効果のある周波数や吸音特性の予測が重要となります。
単純な形状の場合ある程度理論式で予想が可能ですが、多数のヘルムレゾネータを同時に使用する場合や形状が3次元的にある程度複雑な場合など理論式での予測と共鳴周波数がずれることもあり、そのような場合は数値解析による吸音特性計算や吸音効果予測が有用です。

ヘルムホルツレゾネータ
解析例
レゾネータの吸音特性の測定には音響管が使用されますが、本解析例ではWAONによる音響解析にて、音響管にヘルムホルツ共鳴器単体のレゾネータを設置してその吸音率を計算しています。Φ100mmの音響管の片方の端面に直径2mmで長さ4mmの孔と、その背後に直径25mmで長さ10mmの背後空気領域を持つヘルムホルツレゾネータモデルを作成し、周波数応答解析を実施しています。音源はスピーカを想定してレゾネータの反対側の音響管端面に単位振動速度、また同じ面に試料で反射した音波が再度反射しないようにする吸収条件を設定しています。
なお音がこのような小さい穴を通過する場合壁面と流体の粘性により音が減衰すると考えられますが、そのような音波の減衰を考慮する音響媒質の材料モデルとして本解析例ではLow Reduced Frequencyモデルと呼ばれる材料モデルを使用しております。

音響管+レゾネータの解析モデル

レゾネータ部
解析結果
音響管内の2点の音圧結果からレゾネータの吸音率が求まります。565Hzで吸音率のピークが得られております。また共鳴周波数における音圧レベルの分布コンターを見ると、レゾネータ内部の音圧が大きく、共鳴している様子が確認できます。

吸音率

音圧レベル分布
