RSoft Component Suite 9.0 サービスパック14 リリース
リリース時期:2013年6月
CAD Layout
- RSoft CADからドーピングの分布を生成する機能が追加されました。
これらの分布は、"Compute Material Profile"ダイアログ内の"Material Property"ドロップ・ダウン・メニューから"Doping Concentration"を選択して生成します。
- LaserMODおよびMulti-Physics UtilityのCarrierオプションにドーピングの分布をインポートする機能が追加されました。
- Multi-Physics UtilityのCarrierオプションGUIの中から周波数応答特性(例えばシリコン光変調器など)を生成する機能が公開されました。
これらのオプションは、Multi-Physics Utilityダイアログ内で"Carrier Options"ボタンを押せば利用できます。
- Tapered Laser Utility用のバイアス・ループで、電流リミットを設定する機能が追加されました。
このオプションが使用されると、電流リミットに到達するか、またはそれを超えた電圧で電圧バイアス・ループを制限します。
Tapered Laser Utilityは、現状および直前のバイアス電圧の間を補完して、要求された電流リミットを実現するための電圧値を推定して決定します。そして、この推定されたバイアスで解析が行われ、結果の出力が生成されます。
"Max Iterations"に1を超える値が設定された場合には、この調整は指定された許容誤差に達するまで複数回繰り返されます。
これらのオプションの設定は、Tapered Laser Utilityダイアログの"Bias Loop"の部分で行えます。
FullWAVE
- FullWAVEで分散材料を用いた解析の速度が改善されました。
場合によっては、最大15%性能が改善されます。
- FullWAVEで電磁界を複素数で表現する解析(例えば周期境界条件を用いて傾いた平面波を入射する場合)の速度が大幅に改善されました。
場合によっては、最大50%性能が改善されます。
DiffractMOD
- 入射光を設定する際に、X-Yによる偏波の表現規則が追加されました。
これまでは入射光は常にP-Sによる偏波の表現規則であると仮定されていました。
X-Yによる偏波の表現規則に切り替えるには、 変数 "rcwa_polarization_convention" を定義して値を設定します。
値を0に設定するとX-Yによる偏波の表現規則になり、値を1に設定するとP-Sによる偏波の表現規則になり、これが現状のデフォルトです。
※注意:この機能はベータ版であり、これ以降のリリースで仕様が変更されることがあります。
- Simulation Parametersダイアログに表示されるメモリ量の予測値がより正確になりました。
ModePROP
- Simulation Parametersダイアログに表示されるメモリ量の予測値がより正確になりました。
LaserMOD
- Linux用のベータ版がリリースされました。
- ドーピングの分布を取り込む機能が追加されました。
以下の変数を定義してファイル名を指定します。
"dope_file_donor"はドナーの分布を指定します。
"dope_file_acceptor"はアクセプタの分布を指定します。
"dope_file_net"は実効的なドーピングの分布を指定します。
"dope_file_import"を定義して値を1に設定すれば、この取り込み機能を利用できます。
※注意:負の値はアクセプタを、正の値はドナーを、それぞれ表します。単位は常にcm-3(毎立方センチメートル)です。全ての分布は領域全体に適用されます。
- テーパー領域に対するデフォルトの表示形式が変更されました。
テーパーは連続的に表示されますが、シミュレータではこれまでと同様に離散化して解析が行われます。
CAD内でも離散化された状態で表示するには、変数"draw_taper_mode"を定義して値を1に設定します。
※注意:この領域の中央部分はバルクの半導体であり、外側の部分はインシュレータであると想定されています。これらの想定は、各々のPhysical Data Tableに変数"reg_regtype"を定義して、バルク半導体に対しては値を"generic"に、インシュレータに対しては値を"oxide"に、それぞれ設定することで変更できます。各々の部分に対しては、ドーピング、組成、材料を通常の方法で設定できます。
- TMM(Transfer Matrix Method)モード・ソルバで、変数 "use_index_dispersion" を定義して値を1に設定すれば、 伝達スペクトルの全ての波長で各々の層の実効屈折率の値を再計算させることができます。
計算効率を高めるために、この機能はデフォルトではオフになっており、ピークの位置が少しずれることがあります。
今回のマイナー・バージョンアップでは、以下の製品について新機能の追加や大幅な機能の改善はありません。
- BeamPROP
- MOST
- BandSOLVE
- GratingMOD
- FemSIM