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委託事例

メタレンズの設計

〜ユニットセル解析から結像性能まで〜

メタレンズはナノサイズの微小な構造で構成されたナノデバイスです。
レンズのような集光作用を持ち、従来の屈折型のレンズに比べ厚みを大幅に薄型化できます。
その動作原理はいくつかの種類がありますが、メタレンズを透過または反射する際に光の振幅や位相を制御し、ナノ構造の材質や寸法、形状に応じて様々な光波制御を実現することができます。


メタレンズの設計には、微小なナノ構造(ユニットセル)の解析から、レンズ寸法に合わせてユニットセルを配置する手法、メタレンズ全体としてどのような振る舞いを示すのかの光の伝搬特性解析など、様々な段階での設計が必要となります。
またナノフォトニックデバイスの製作や検証にかかる時間や費用等のコストは通常の光学素子と比べ大きくなりがちですが、光学CAEツールを活用することで効率的な設計が実現できます。

以下では典型的なメタレンズの設計フローをご紹介します。

まず初めに、メタレンズを構成するユニットセルの特性解析を行います。
ナノフォトニクス解析ツールを活用し、例えばユニットセルとして円柱ピラーを選択した場合にはピラー径や高さによる特性の変化を解析します(図1,図2)。
これにより、設計に必要な寸法の把握を行えます。製造の制約が事前にわかっている場合はそれをフィードバックすることでスムースに試作に移行できます。

図1(透過率と位相のradius heightマップ)

図2(設計heightでの透過率、位相vsピラー半径)

次に設計したいメタレンズの仕様に合わせてユニットセルの配置を決定します(図3、図4)。
要求仕様が高いほど高度なアルゴリズムが必要となる場合がありますが、上記の例では設計したい位相に合致するピラーの半径を決定することで一意にメタレンズの構造を決める事ができます。

図3(メタレンズ構造)

図4(メタレンズ設計位相と配置)

メタレンズの構造が決まったら、メタレンズとしての光学特性を解析します。
焦点距離やPSF(点像強度分布)等の確認を行う事が可能です(図5)。

図5(焦点距離1000um、レンズ径200umのメタレンズ集光特性)

設計波長以外の特性や斜め入射による影響もチェックできます。mmオーダのメタレンズであってもある程度の解析は行えます。
またGDSファイル形式で構造データを出力して試作先と設計データを連携したり、Zemaxの物理光学伝搬機能で解析するファイルとして出力し、幾何光学ツールと連携することも可能です。

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