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化石燃料1リットルで3000km走行相当の水素消費量を削減

イタリアのトリノ工科大学が開発した近未来的で軽量なIDRApegasus プロトタイプ車両では、可能な限り低い水素消費量が重要なポイントとなっています。工学部の学生で構成されるH2politOチームは、手動で行っていた1次元LMS Imagine.Lab AMESimシミュレーションの手順をOptimusで自動化し、車両の電子エネルギー管理を最適化しました。最適でロバストな電気モーター電流プロファイルのシステムシミュレーションにより、コンセプトカーのエネルギーマネジメントを最適化し、2012年ロッテルダムで開催されたシェルエコマラソンで表彰台を獲得することに成功しました。さらに、車体重量の軽減や車両ダイナミクスの向上といった改良を加え、IDRApegasusの エネルギー消費とレース戦略をさらに最適化しました。その結果、2013年のレースでも燃料電池プロトタイプ部門で表彰台を獲得することができました。
Optimusによるサステナビリティの最大化

水素消費量とモーター電流の相関を示すバブルプロット。Optimusはこの情報をもとに、ティアドロップ型のIDRApegasusのエネルギーマネジメントを最適化。
環境問題の高まりを受け、自動車の推進力開発において、燃料消費と排出を最小限に抑える革新的な技術が注目されています。トリノ工科大学のH2politOエンジニアリングチームがデザインするティアドロップ型のカーボンファイバー製コンセプトカー「IDRApegasus 」は、軽量の3輪車シャシーが搭載されており、1kWの水素燃料電池と、高効率の200W電気DCモーターを組み合わせて駆動しています。
H2politOチームは、IDRApegasusの パワートレインを制御する電子パワーマネジメントのシミュレーションモデルをImagine.Lab AMESimで構築しました。このモデルは、車両ダイナミクスと駆動系の燃料電池と電気モーターの複雑な相互作用を含めて構成されています。
Optimusにより、AMESimのシミュレーションの実行を自動的に管理し、レースや車両に関連するすべての制約条件を考慮しながら、可能な限り水素消費量を少なくするよう最適化をおこないました。
自動エネルギー管理最適化

Optimusでは、ロッテルダム競馬場の特定のコーナリング区間で電気モーターに供給される電流強度に対応する一連の入力パラメータを定義しました。
Optimusでは、ロッテルダム競馬場の特定のコーナリング区間で電気モーターに供給される電流強度に対応する入力パラメータを定義しました。その他の入力は、車両とドライバーの総質量と、トラックセグメントで加速/減速フェーズを開始する車両位置です。出力パラメータに加えて、エコマラソンの競技規則に関連する制約も定義しました。
実験計画法により、最も影響力のある入力パラメータは、2周目から9周目までの最初の2回で供給されるモーター電流であることを特定しました。
メタモデル上の最適化により、適用されるすべての制約を尊重しながら、水素消費を最小限に抑えるエネルギー管理制御を明らかにすることができました。また、風、温度、湿度などの環境条件や、レース中のライバル車の追い越しなどを考慮しても、安定した水素消費量を保証していることをロバスト性評価で検証しました。
まとめ

Optimusは、さまざまなレースフェーズにおいて、電気モーターと燃料電池の間の最も水素効率の良い相互作用に向けて、システムシミュレーションを行いました。
パワートレインを制御する電子パワーマネージメントの最適化により、水素消費量の最小化を実現
- シミュレーションの自動化で手作業削減
- 影響度の高い入力パラメータを特定
- メタモデル上で効率的に最適化
- 水素消費量の最適化
- 現実的なレース条件での水素消費量のロバスト性評価
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