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リーン&グリーン
電気モーターの多目的最適化で駆動トルク向上とノイズ低減を実現

サイバネットシステムのエンジニアは、Optimusを使用して磁石埋込式(IPM)モーターの設計を最適化し、最大駆動トルクと最小騒音・振動を実現しました。Optimusを使用することで、Ansys®の磁気/構造シミュレーションを連携し、設計空間の探索とモーター設計の最適化を行うことができました。

多目的最適化の結果、駆動トルクは7%向上し、コギングトルクは36%、音響放射は約5dB低減させることができました。このアプローチは、電気自動車、コンプレッサー、家電製品に使用されるIPMモーターの新たな可能性を開くものです。

最適化プロセスの設定

設計パラメータには、ロータマグネットとステータコイルスロットのサイズ、向き、位置を利用しました。

IPM電気モーターの開発では、1アンペアあたりの駆動トルクを最大化し、コギングトルクを最小化することに重点を置いています。また、モーターの品質を高めるために、ローターの径方向の変位を小さくすることで騒音の低減を目指しました。さらに、永久磁石に希少材を使用せず、駆動トルクを高めることで環境に配慮したIPMモーターを実現することも検討しました。

設計パラメータは、ローターマグネットのサイズ、向き、位置(幅、厚み、角度、距離、材質)とステーターコイルスロット(先端位置、厚み)を利用しました。さらに、永久磁石の材料として、3種類の異なる材料を評価しました。最適化の目標は、駆動トルクの最大化(モータ効率)、ロータ径方向変位(騒音・振動)およびコギングトルク(品質)の最小化です。

設計空間の探索

散布図は、設計パラメータと目的の相関を示しています。

エンジニアはまず、設計の可能性を事前に把握するために、設計空間探索を行いました。Optimusに搭載されているラテン超方格法(DOE)を用いて、設計空間内に偏りがない200個の仮想実験セットを定義しました。Optimusはシミュレーションロボットとして、実験を自動的に実行し、設計空間全体をサンプリングしました。

相関散布図から、駆動トルクは磁石の材質、距離、幅に最も影響を受け、ラジアルローターの変位は磁石の幅に最も影響を受けることが明らかになりました。スロットの厚さは、駆動トルクとラジアルローターの両方の最適化目標で役割を果たします。

パレートフロントにおける設計目標のバランス

パレート図の両端にある2種類のモーター設計例(3番と99番)の形状断面図と目標値を示した表。設計例99番は駆動トルクが7%高く、コギングトルクと音圧レベルを大幅に低減しています。設計例3番は、音圧レベルの低減という点ではやや優れていますが、駆動トルクとコギングトルクでは設計例99番の数値に及びません。

この多目的最適化では、NSEA+ (Non-dominated Sorting Evolutionary Algorithm)を用いてパレートフロント(Pareto Front)を構築しました。このパレートフロント上の点はすべて最適化されたモーター設計であり、それぞれが駆動トルクと最大ローター変位のトレードオフを特徴としています。

設計目標の優先順位付けとバランス調整により、最終的にどのパレート最適設計(および対応するトレードオフ)がエンジニアリングチームによって選択されるかが決定されるのです。

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