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構造・制御同時最適化の提案(スマート構造物)

ハードディスク、光ディスク、自動車、高層ビル、工作機械、ステッパなど、制御系を内蔵した構造/機構系が増えています。構造/機構系のモデルとしてFEM(有限要素法)を用います。制御系は「最適レギュレータ」と呼ばれる現代制御理論を適用します。本資料では、構造/機構系と制御系の同時最適化が必要な理由のほか、構造/機構系モデルとして用いるFEM(有限要素法)と制御系を融合する際の問題点を説明します。また、Ansys+MATLAB+Optimusによる片持ち梁の制振制御の設計事例をご紹介します。
なぜ同時最適化か?

同時最適化により、構造/機構系と制御系(コントローラ)の互いの弱点を補い、互いの長所を引き出すような無駄のない設計が可能になります。制御しやすい構造/機構系の設計や、過剰な負荷を制御系に与えないような設計を可能にします。また、コストも削減され性能も向上します。構造/機構系のみで補おうとすると過大な材料投入をまねきます。制御系のみで補うと性能が保守的になります。構造/機構系と制御系は、お互いの系が干渉しているので独立に変えることはできません。同時最適化によるシステム全体としての性能向上が大切です。
FEMと制御系融合の問題点

FEM(有限要素法)と制御系融合における1つ目の問題点は、次数の違いです。FEMの次数は小規模モデルでも1000次以上ですが、制御系設計は50以下です。対策としてはFEMの縮小化・低次元化があります。2つ目の問題点は、扱うパラメータの違いです。FEMは寸法、材料特性など物理的/具体的ですが、制御系は厚み行列、極など数学的/抽象的です。対策としては、専門ツールの連携が挙げられます。以下に、Ansys+MATLAB+Optimusによる設計事例をご紹介します。
設計例:片持ち梁の制振制御

振動を抑制する構造物の形状とコントローラを同時に求めます。制御エネルギーを一定値以下に維持しながら、変位振動エネルギーを最小化することが目的です。構造系の設計変数は寸法Wp、制御系の設計変数は重み行列Qです。
設計手順と結果

Ansysで定義した形状モデルをMATLABから取得し、制御設計用縮小モデルの算出、重み行列の定義、最適レギュレータの設計、インパルス応答のシミュレーションを実行します。Optimusでは、これら一連の作業を自動化し、Ansysの形状と最適レギュレータの厚み行列の同時最適化を行います。図は、最適化前後の制御系の結果を表示しています。
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