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PSpiceを使用したスイッチング電源の最適化

一般的にスイッチング電源は、交流を直流へ変換するためノイズが発生します。スイッチング電源自身や他の回路への悪影響が懸念され、様々な対策が必要となります。一般的にノイズを低減させるため適切なノイズフィルタ、スナバ回路、スイッチング素子などの選定が必要となりますが、組み合わせが多数存在するため設計者の経験が必要となります。そこでこの事例では最適な組み合わせをアルゴリズムにより探索し、ノイズ低減を図ります。Optimusと回路シミュレータのOrCAD PSpiceを用い、スイッチング電源の最適化を実施します。

雑音端子電圧(MAX値)の最小化

OrCAD Captureで作成された右図のようなスイッチング電源回路を対象とします。発生するノイズは「LISN」部分より出力される波形で確認することができます。PSpiceのAdvanced Analysis Optionには最適化機能が用意されていますが、設計変数としてOrCADライブラリ名を使用することはできないため、Optimusにより最適化を実施します。出力されたノイズをフーリエ変換し、100kHz以上のMAX値を評価対象とします。ノイズフィルタ: 6種類、スナバ回路:3種類、スイッチング素子:23種類(全414パターン)(全て離散変数)を設計変数とします。

組み合わせ最適化

設計変数が数値(連続、離散)の場合、上下限値の範囲でいくつかのサンプリングを行うことにより、設計変数と応答の関係性を把握することができます。それらのデータから応答曲面モデル(近似式)を作成することで連続的な曲面として可視化することができます。一方、組み合わせ最適化の場合は、設計変数に大小関係がなく、いくつかのサンプリングを実施しても傾向を掴むことが困難となります。

最適化アルゴリズムによる最適化

一般的な最適化アプローチでは、実験計画法/ 応答曲面モデルにより対象問題の特徴や傾向を把握し、その後、最適化アルゴリズムによる解の探索が行われますが、この事例では前述の理由により、一般的なアプローチではなく最適化アルゴリズムにより直接解の探索を実施します。Differential Evolution (進化的アルゴリズム)を使用します。最適化の結果、ワーストケースと比較して雑音端子電圧(MAX値)を約30%低減できました。総組み合わせ数414パターンに対し、1/5の計算コストで最適化を算出しました。

補足:最適化過程で得られたデータの散布図

散布図の横軸の設計変数は、大小関係ではなくリストに登録された文字列の順番となります。そのため、設計変数をどちらの方向へ変化させれば、目的関数が改善するといった傾向を把握することは困難となります。

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