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オープンショート試験の自動化検討と展望

近年、様々な製品の安全規格が制定されており、産業機器の信頼性、安全性への要求が高まっています。特に、故障により人命に影響を与える機器に関しては、故障や障害が発生しても人への危険の発生を低減させる機能を実装することで安全性を確保する「機能安全」という考えが広がっています。しかし、実機で安全性を検証する場合、様々な故障状態を考慮するため非常に時間がかかります。また、試験後に対策が必要となると、回路やPCBの再設計と試作を繰り返すことになり、設計時間や費用が増加します。
本資料では、車載用の回路である過電圧保護回路の全素子(電源を除く)を対象に、オープン/ショート時の解析を「Optimus」の自動化機能で実施し、工数削減の可能性を評価した事例をご紹介します。
FMEAによるオープンショート試験

FMEAとは「Failure Mode and Effects Analysis」(故障モード・影響解析) の略称です。製品の故障モードを予測し、これが製品に及ぼす影響を事前に解析する方法で、明らかになった問題点に対しては設計の改善を図る手法です。この故障モードに、部品のオープン/ショートモードが含まれています。オープン/ショートモードの原因は、経年劣化、過電圧、過電流などが上げられますが、これは複数箇所で発生することは考えられていません。そのため、単一部品のオープンショートとその影響を解析します。
PSpiceによるオープンショート試験の課題

Pspiceでオープンモード、ショートモードを再現することは可能ですが、故障モードのたびに回路図を修正する必要があるほか、解析のたびにデータをExcelなどに打ち込む必要があります(図上段)。PSpiceAAO (PSpice Advanced Analysis Option)でオープンショートを再現し故障モードを解析することも可能ですが、無数の抵抗を挿入する必要があるほか、不必要な解析を実施するので時間がかかります(図下段) 。
PSpiceを用いた手動検証
某企業では、車載用の回路のオープン/ショート時の解析をPSpiceを用いた手動検証で実施していました。①オープンは高抵抗を直列に挿入(ショートは低抵抗を並列に挿入)、②DC解析(バイアスポイント解析)を実行、③結果の目視し設計検討書に打ち込む、④元の回路に戻すという4項目の作業を全電子部品に対して実行しており、1回につき2分程度掛かっていました。2端子の場合はオープン/ショートの2通りの解析を実施、3端子の場合は端子の組み合わせ3通り× オープン/ショートの2通りの計6通りの解析を実施し、計102通り× 2分で計204分かかっていました。

Optimusによるオープンショート解析の自動化

試験条件に沿ったネットリストを自動作成するシーケンスを作成し、解析により生成されるCSDファイルから電力データのみを抽出します。解析方法(テーブルメソッド)により、複数の試験条件をあらかじめ定義することで自動実行が可能です。回路を修正する必要がなくなり、効率的に解析できます。Optimus-PSpice連携設定(15分)と自動実行(8分)で計23分となり、工数を從來の約9分の1に削減できました。
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