2015年7月にLightTools バージョン 8.3をリリースいたします。
LightTools8.3では設計能力を大きく拡張するモジュールの追加や機能の強化が行なわれています。新機能の概要を以下に紹介します。
自由曲面設計機能が追加されました。一つのレンズまたはリフレクターを利用して、目的の照度分布や配光分布を得るための継ぎ目のない自由曲面が設計できます。あるパターンで面を照射するレンズやリフレクターを設計されたい方に有効な機能で、ランプ、センサー用照明、LEDレンズなどの設計に役立ちます。
MacroFocalリフレクター機能は”ファセット化”された自由曲面リフレクターを設計するための機能です。様々な種類のファセットに対応しており、各ファセットの面形状は要求性能(拡がり角やターゲット面上の位置)を指定することで作成されます。
Procedual レンズはレンズアレイ(“ファセット化”されたレンズ)を設計する機能です。ファセットが多数あるレンズアレイの設計を素早く行えます。また、指定した曲線上に並ぶようなレンズアレイが設計できます。
LEDレンズ機能はすばやく簡単にLED用のコリメーターレンズを作成できる機能です。円形や矩形のコリメーターの他にも様々な種類のコリメーターを設計できます。コリメートさせることも容易に行えますが、MFリフレクターと同様に拡がり角を指定してレンズを作成することができます。
温度とパワー密度に依存した蛍光体粒子を扱うため、蛍光体粒子のExcitation(励起)の指定として[Quantum Yield with Temperature and Power Density Dependence](温度とパワー密度に依存した粒子収率)のオプションが追加されます。
新しいオプションを選択すると、以下を指定できるようになります。
温度による蛍光体の特性変化、強レーザーによる輝度飽和、蛍光体の非線形特性などをシミュレーションされたい方に有効です。
体積散乱の特性をプログラミングできる機能がユーザー定義体積散乱(user-defined volume scatterer、UDVS)です。WindowsのCOM(Component Object Model)の技術を使用した新しいAPI(application programming interface)を提供します。
この機能を用いると体積散乱機能を拡張できます。LightToolsに動的にリンクされる体積散乱コンポーネントをカスタマイズできるプログラムインターフェイスです。
旧バージョンの体積散乱や蛍光体の機能ではできない設定を行われたい方や散乱粒子の密度変化、独自の蛍光体特性などをシミュレーションされたい方に有効です。
このユーティリティを用いると、体積散乱や蛍光による波長変換のログがとれます。これにより、体積散乱粒子や蛍光体粒子が含まれる材質内で何が起こっているか(たとえば、吸収されたエネルギー、損失したエネルギー、変換前後の波長など)を確認できます。
受光器フィルターにLightGuideフィルターが追加されました。受光器の内側/外側からの入射を透過/反射/全反射/追跡終了などの条件を指定することができます。この機能により部品から漏れた光線の評価が、より簡単に行えるようになります。
目的のターゲット分布をメッシュ評価関数として設定する際に、楕円ガウスやチャープ関数を利用することができるようになりました。また、ターゲット分布の画像ファイルがあれば、高解像度メッシュとしてその画像ファイルの内容を目標として設定することもできるようになっております。今までのバージョンで均一な分布以外をターゲット分布として設定することが多かった方に対して特に有効な機能強化となります。
新しい面光源としてディスク形状(Disk)と矩形状(Rectangular)が追加されます。これらは[Insert(入力)]メニューもしくはコマンドパレットから作成できます。
以下の項目に対するライブラリデータが更新されています。
LightTools 8.3で追加される全ての機能に関する詳細はリリースノートをご参照下さい。