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2022.4

経産省が掲げるスマートファクトリーのロードマップとは

スマートファクトリーに興味をもっているものの、実現の方法がわからないと感じていませんか。このようなときに活用できるのが、スマートファクトリーロードマップです。ポイントは、実現方法がわからない方に向けて、実現のステップを示していることといえるでしょう。したがって、この資料を参考にすれば、何をどのように進めればよいかがわかります。この記事では、同資料の概要と主な内容をわかりやすくまとめています。気になる方は、是非参考にしてください。

スマートファクトリーとは|企業に求められる理由

スマートファクトリーは、第4次産業革命に対応したモノづくりを進められる工場を表す概念です。具体的には、工場内の設備・機器をネットワークでつないで作業データを収集し、このデータを活用してさまざまな課題を解決できるようにした工場を指します。

日本の製造業が抱える課題を効率よく解決できる可能性があるため、スマートファクトリーは多くの企業から注目を集めています。代表的な課題として挙げられるのが、慢性的な人手不足です。スマートファクトリー化を進めることで業務の自動化・効率化が可能になるため、人手不足を解消できる可能性があります。また、生産性・在庫回転率・歩留まり率なども改善できるため、グローバルな競争を勝ち抜きやすくなるでしょう。日本の製造業を力強く復活させるため、スマートファクトリーは注目を集めているのです。

「関連記事:スマートファクトリーとは?ロードマップや課題について解説

スマートファクトリーロードマップの目的と概要

スマートファクトリーロードマップは、「ものづくりスマート化ロードマップ調査」調査報告書(経済産業省が2017年3月に発表)の中で示された工場のスマート化を進めるうえで参考にするべきステップです。同調査は、先に行われた「2040年ものづくり未来洞察調査」で、製造業を取り巻く環境が大きく変わること、変化する環境に適合するため7つの戦略課題に対応しなければならないことが明らかになったため実施されました。

工場のスマート化は、いずれ訪れると考えられている製造業の未来の姿です。グローバル競争を勝ち抜くため、できるだけ素早く実現することが重要と考えられています。しかし、製造業の多くは、その必要性を認識していながらどのように実現すればよいかわからないなどの課題を抱えています。このような課題を解決するため、示されたのがスマートファクトリーロードマップです。

スマートファクトリーロードマップには、工場のスマート化を進めることで創出したい付加価値などを実現するための基本的なステップが示されています。具体的には、データ活用を切り口にレベル1〜3で示されています。レベル1はデータの収集・蓄積、レベル2はデータによる分析・予測、レベル3はデータによる制御・最適化です。したがって、スマート化で創出したい付加価値などをどのように実現すればよいかが段階的にわかります。

出典:経済産業省中部経済産業局:「ものづくりスマート化ロードマップ調査」調査報告書

スマートファクトリーロードマップの7つの特徴

スマートファクトリーロードマップでは、スマート化の大目的として以下の7つが挙げられています。

大目的は、工場のスマート化で生み出せる付加価値などと言い換えることもできます。これらをどのように実現すればよいのでしょうか。

品質の向上

品質向上を実現するため、次の小目的が掲げられています。

つまり、これらを達成することで、品質を向上できると考えられます。参考に、品質の安定化・バラつきの低減を実現するステップを紹介します。

データ活用レベル 概要
レベル1 各従業員の作業をセンシングして、それぞれの作業データを収集。
レベル2 集めたデータを分析して、バラつきが生じる要因を特定。これをもとに作業改善に関する知見を新たに作成。
レベル3 作業改善に関する知見をもとに、作業状況を見直す。これにより品質の安定化などを実現する。

小さなステップを刻むことで、品質の安定化などを図れることがわかります。

コストの削減

コストの削減を実現するため掲げられている小目的は以下の通りです。

材料使用量の削減は、特にイメージしやすいといえるでしょう。どのように実現すればよいのでしょうか。

データ活用レベル 概要
レベル1 各過去の設計事例を集めてデータベースを作成。ソフトウェアなどを活用して分析・解析を進められるようにする。
レベル2 過去の設計事例を分析・解析して、材料の軽量化など、材料使用量の削減につながる項目をまとめる。
レベル3 レベル2で明らかになった内容をもとに製品を設計。これまで見逃されてきた無駄を省くことで材料の使用量を削減。

過去の設計事例を集めて作成したデータベースから、共通する無駄を洗い出す点がポイントといえるでしょう。

生産性の向上

生産性の向上では、次の小目的が掲げられています。

ヒトの作業の効率化、作業の削減・負担軽減も、小ステップを踏むことでスマート化を図り実現できます。

データ活用レベル 概要
レベル1 工場内に設備を取り付けることなどで、ヒトの作業状況を可視化。稼働状況・作業状況に関するデータを集める。
レベル2 レベル1で集めたデータをロボットに学ばせる。ヒトの作業を予測して協働できる環境を構築。
レベル3 ヒトとロボットが無駄なく働ける環境を構築することで、ヒトの作業効率をアップするとともにヒトの負担を軽減できる。

ロボットを含めて作業の効率化を図る点がスマートファクトリーの特徴といえるでしょう。

製品化・量産化の期間短縮

この項目の小目的は次の通りです。

データ活用レベル 概要
レベル1 ツールを使用して、デジタル空間に生産ラインを設計。
レベル2 デジタル空間に設けた生産ラインで、生産能力・製造工程・物流などを評価・検証。
レベル3 レベル2の検証結果をもとに、現実空間の生産ラインを最適化。現実空間での評価・検証などを削減することで製品化までの期間を大幅に短縮できる。

デジタル空間に現実空間と同じ生産ラインを設置することで、さまざまな評価・検証が可能になります。

人材不足・育成への対応

人材不足・育成への対応に関する小目的は次のようになっています。

例えば、技術継承は次のステップを踏むことで実現できます。

データ活用レベル 概要
レベル1 継承したい技術をセンシングしてデータベースとして蓄積。
レベル2 レベル1で蓄積したデータを分析して、他の作業者との違いを明らかにする。
レベル3 レベル2で明らかになった違いを、作業者で共有する。これにより技術を継承できる。

熟練技能者の技術をロボットに学習させれば、作業の自動化を実現することも可能です。

新たな付加価値の提供・ 提供価値の向上

新たな付加価値の提供・ 提供価値の向上の小目的として次の点が掲げられています。

例えば、製品の性能・機能の向上は次のステップを踏むことで実現できます。

データ活用レベル 概要
レベル1 ユーザーの同意を得たうえで、製品の使用環境や制御に関するデータなどを収集。(通信機能の活用)
レベル2 レベル1で収集したデータを分析することで、想定していた使用方法と実際の使用方法の違いを把握。
レベル3 レベル2で得た知見をもとに、製品の最適化、性能の最大化などを図る。

スマートファクトリーでは、データをもとに性能・機能の向上などを図れます。

リスク管理

リスク管理の強化は、「その他」の項目で掲げられている小目的です。次のステップを踏むことで、リスク管理を強化できます。

データ活用レベル 概要
レベル1 製品の組立・検査などに関するデータを蓄積することで各製品の品質を証明。
レベル2 蓄積したデータをもとに、製品に起きた不具合の原因などを迅速に特定。
レベル3 製品に搭載した通信機能を用いて不具合が発生したユーザーを把握。適切なカスタマーサポートを提供することで不具合の影響を最小限にとどめる。

スマート化を進めることで、信頼性の高い製品・体制を構築できるでしょう。

スマートファクトリーを実現しよう

経済産業省が発表しているスマートファクトリーロードマップの概要を解説しました。ポイントは、スマートファクトリーの実現方法を段階的に示していることです。したがって、この資料を参考にすれば、工場のスマート化を進めやすくなります。気になる方は、公開されている資料を参考にしてみてはいかがでしょうか。

サイバネットシステムでは、IoT化やデジタルツイン導入のサポートをさせていただいております。是非ご相談ください。

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