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2022.4

世界と日本のIoT市場規模とその成長要因

新型コロナウイルス感染症の流行拡大などを受けて、IoTの普及が世界レベルで急速に進んでいます。ビジネスに活用したいと考えている方は多いでしょう。ここで気になるのが、IoTの市場規模です。高成長を続けていても市場規模が小さすぎる場合、投資の対象として適切ではないこともあります。この記事では、世界と国内におけるIoTの市場規模、成長率を紹介しています。IoTに注目している方は、ぜひ参考にしてください。

IoTの世界市場規模

IoTの世界市場規模は7,000〜8,000億ドル程度と予想されています。今後、数年間は、10%台の高い成長率を維持すると考えられている点もポイントです。高成長を期待されている注目の分野といえるでしょう。

ただし、あらゆる産業で同じように成長するとは考えられていません。2019年における世界で最も稼働台数が多いIoTデバイスはスマートフォンをはじめとする通信機器です。具体的には、110.9億台が稼働しています。これまでIoT市場の成長をけん引してきた通信機器ですが、すでに飽和状態にあるため今後の高成長は期待しにくいと考えられています。

反対に、今後成長すると予想されているのが医療、産業用途、自動車・航空宇宙、コンシューマ関連のIoTデバイスです。例えば、デジタルヘルスケア関連、スマートファクトリー関連、コネクテッドカー関連のIoT機器などが普及すると考えられています。2019年におけるIoTデバイスの稼働台数は、医療5.1億台、産業用途53.9億台、自動車・航空宇宙9.9億台、コンシューマ51.3億台ですが、2022年には医療9.1億台、産業用途92.7億台、自動車・航空宇宙16.1億台、コンシューマ87.0億台に増加すると予想されています。各分野で、IoTデバイスが急速に普及する可能性があります。

出典:総務省「令和2年版 情報通信白書 IoTデバイスの急速な普及」

IoTの国内市場規模

IDC Japan株式会社の発表によると、2020年におけるIoTの国内市場規模は6兆3,125億円です。2020年から2025年における年間平均成長率は10.1%と予想されています。国内市場も世界市場と同じく高成長が期待されているといえるでしょう。

出典:IDC Japan株式会社:国内IoT市場 産業分野別予測とユースケース別の事例考察を発表

国内市場で支出額が特に大きい産業は、製造組立・プロセス製造です。これらの支出額が大きくなっている理由は、人手不足や後継者不足などの問題を解決するため、あるいはデータ活用による生産性の向上を促すため、国がスマートファクトリー化を勧めているからと考えられます。

今後予想される成長率も、産業で異なります。例えば、スマートホーム関連、農業関連などは高い成長を期待されています。意外かもしれませんが、農業もIoT化が進む産業のひとつです。具体的には、圃場や作物のデータを蓄積・分析して、生育に適した環境を整えるなどの農業が実現されています。次世代型農業にIoTが活用されているといえるでしょう。もちろん、製造組立・プロセス製造に関連する産業分野も、安定した成長が期待されています。

「関連記事:IoTの今後の予測とその将来性。課題についても解説

IoTの市場規模は拡大を続ける

世界と国内のIoT市場規模について解説しました。世界・国内ともIoT市場は一定規模に成長していますが、今後さらに成長すると予想されています。ただし、すべての産業が同じように成長するわけではありません。これまで市場の成長をけん引してきた通信機器は低成長に陥る恐れがあります。投資などを検討している場合は、産業分野別に市場規模・成長率を捉えることが重要です。

サイバネットシステムでは、IoT化やデジタルツイン導入のサポートをさせていただいております。是非ご相談ください。

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