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2022.4

製造業が目指すデータ活用|データドリブンな意思決定のために

貴重なデータを、有効活用できていない製造業は少なくありません。慣れ親しんだ業務プロセスに固執していると、競合他社との競争で取り残される恐れがあります。データを活用できない結果、ダウンタイムを削減できないなどの問題が生じてしまうからです。この記事では、製造業が直面しがちな課題と、課題を解決する方法を紹介しています。データ活用を検討している方は、是非参考にしてください。

製造業が直面する課題

多くの製造業が直面する課題として、各部署が蓄積したデータを経営に活用できていないことがあげられます。例えば、営業部が蓄積した顧客データを製造に活かせていない、機器の稼働データを製造プロセスの改善に活かせていないなどが考えられるでしょう。

データを有効活用できない理由のひとつが、勘や経験に頼る業務プロセスを採用していることです。あるいは、各部署が勘や経験で業務を進めるため、部署間で異なるカルチャーが築かれていることもあります。異なるカルチャーが築かれると、横の連携は取りにくくなります。

いずれにせよ、データを有効活用できないと、業務の最適化を図ることは難しくなります。当然ながら、工場の生産能力を最大限発揮することも難しくなるでしょう。

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製造業が活用しているデータドリブンとは

製造業が抱える課題の解決策として、注目を集めているのがデータドリブンです。各企業は、どのように活用しているのでしょうか。

データドリブンとは

データドリブンは、売上データや稼働データなどを収集・分析して意思決定を行う業務プロセスです。勘や経験、度胸に頼らないことが特徴といえるでしょう。この点が、多くの製造業が採用している従来型の業務プロセスと異なります。

センシング技術を活用した機器でデータ化

製造業がデータドリブンを活用するうえで問題になるのが、開発・製造・評価など、データ化しにくい分野があることです。この問題は、ネットワークに繋いだ機器を用いることで解決できます。中でも有効なのが、センシング技術を用いた機器です。例えば、カメラセンシングを採用した機器を用いれば、画像や動画など、視覚的に確認できるデータを蓄積できるようになります。

データ活用によって製造業にもたらすメリット

製造業は、データを活用することでさまざまなメリットを得られます。目的を明確にしてデータ活用を進めるとよいでしょう。

精度の高い製造計画を立てられる

データドリブンを導入することで、予約状況や売れ行き、在庫回転率、リードタイムなど、さまざまなデータを蓄積できるようになります。AIやBIツールなどでこれらを分析・活用すれば、過去のデータに基づく精度の高い製造計画を立てられます。勘や経験に頼らないため、大きく外れることは少なくなるでしょう。

製造プロセスの最適化

ネットワークにつながった機器を用いれば、稼働データをリアルタイムで把握できるようになります。蓄積した稼働データを分析することで、オペレーションの最適化を図れます。また、稼働データを故障の予測や早期発見に役立てることもできます。データドリブンは、製造業の生産性向上やコスト削減につながるといえるでしょう。

品質の改善

製品出荷後に収集したデータと想定していたデータを比較・分析することで、品質改善を図れます。この手法は、大手自動車メーカーなどですでに採用されています。長期的な視点に立てば、顧客満足を改善する手法ともいるでしょう。

製造業もデータ活用は欠かせない

製造業とデータ活用について解説しました。歴史のある企業は、経験や勘に頼る業務プロセスを採用していることが少なくありません。各部署が経験や勘に頼ると、ダウンタイムを削減できないなどの問題が生じやすくなるでしょう。解決策として有効なのが、データを収集・分析して意思決定を行うデータドリブンです。さまざまなメリットがあるため、新たな業務プロセスとして採用してみてはいかがでしょうか。

サイバネットシステムでは、IoT化やデジタルツイン導入のサポートをさせていただいております。是非ご相談ください。

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