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課題解決Goldfireコラム イノベーションを起こすための発想支援ツールとは?

イノベーションを起こすための発想支援ツールとは?

いつの時代であっても「イノベーション」は、常に社会において求められ続けてきました。 ただし、その求められる「スピード」は年々早くなっています。

インテルの創業者の一人であるゴードン・ムーアが唱えたいわゆる「ムーアの法則」のように、現在の技術は指数関数的に成長しており、イノベーションの速度が信じられないほど加速しているのです。

そんなイノベーションを起こすために、人々は様々なスキルやツールを作り出してきました。今回はそんな発想支援ツールについてご説明します。

そもそもイノベーションの定義とは?

ちょっとその前に考えてみましょう。
「イノベーション」とは何でしょうか?

「技術革新」と訳されたり、「今までに存在しない新たなものを作り出すこと」や「業界構造を変える仕組み」と説明されたりすることが多いこの「イノベーション」という単語。「イノベーション」の定義で有名なのは、経済学者のヨーゼフ・シュンペーターによるものです。

シュンペーターは、イノベーションと言うものを大きく以下の5つと定義しています。

  • 新しい調達先の開拓
  • 新しい生産物の創出
  • 新しい生産方法の導入
  • 新しい販売市場の創出
  • 産業の新しい組織の創出

重要なのは、いわゆる「技術革新」だけがイノベーションではないということです。 キーワードとなるのが「新結合」と言う概念で、「今まで無関係と思われていた物同士を組み合わせることにより生み出されるもの」と言う意味合いとなります。

日本においては前述の通り「技術革新」と訳されることが殆どとなります。ただし、中小企業庁の資料において「経営革新」という言葉に「イノベーション」というかっこ書きが付け加えられるなど、近年はその意味あいについて見直しがなされてきているようです。

身近にあるイノベーションの例

自分の身の回りを見渡して、「これはイノベーションである」と思いつくものは何でしょうか? わかりやすいものを挙げてみたいと思います。


Google検索

Google検索は最もわかりやすいイノベーションです。

インターネットの黎明期は「ディレクトリ型」と呼ばれる、いわば図書館の本棚のような形式でした。きれいに整理はされてはいますが、登録されているサイトしか知りうることができず、情報の拡大に対して、その広がり方は追いつくのが非常に難しい作りとなっていました。

Googleを始めとする新興企業はこの検索の考え方をイノベーションによって革新させます。 ウェブの情報を自動的に探索(クローリング)し、情報にインデックスを付けるプログラムを開発しました。これが「ロボット型」と呼ばれる検索方法です。

Googleはその中でも特に速度と精度の面において優れており、今現在においてもインターネット業界のトッププレイヤーとして君臨し続けています。


iPhone

Appleが開発したスマートフォン「iPhone」の発売は衝撃的でした。
それまでは物理キータイプの携帯電話が主流だった中で、物理ボタンのほぼすべてを廃したデザイン、そしてタッチパネルでアプリを切り替えながら操作するというUXは、非常に斬新なアイデアを持つ、まさに「イノベーション」でした。

マルチタッチスクリーンを持ち、物理キーのない「板」と言うデザインアイデアを体現したiPhoneは、あのスティーブ・ジョブズが発表した2007年に、世界中のユーザーを惹きつけ、そこから一気に世界の携帯電話市場の行方を方向付けるイノベーティブなプロダクトとなりました。


ファブリーズ

P&Gが開発したファブリーズは、Google検索やiPhoneと比べると少し毛色の違う、小さなイノベーションかもしれません。しかし、グローバルで10億ドルを超える市場を新たに作り出したという意味で、非常にイノベーティブな商品だと考えます。

通常、部屋の臭いには「空間用の消臭剤」と言うイメージがあり、実際ほとんどの人がそのための商品を購入していたはずです。P&Gは、部屋の臭いの原因を「洗いにくい布製品が放つ臭い」であると定義し、属性を転換したことで新しい市場を作り出すことに成功しました。

このように、「今となっては当たり前だけれど、以前は考え付きもしなかった」と言うものが、私たちの周りにあふれているのです。

イノベーションに必要な要素は、ニーズではなくインサイト

紹介したイノベーションは、知っている今であれば「まぁ確かに言われてみれば」というアイデアです。 ですが、それであれば、なぜこれらの製品が世に出る前に、あなたや他の競合メーカーは、同じアイデアを思いつくことができなかったのでしょうか?

ここにイノベーションの難しさがあります。

世界中で毎日のようにユーザー調査が行われています。 そこでは常に「あなたがこの製品に求めている機能は?」「その問題に対してあなたが求めている解決策は?」といった質問が投げかけられ、ユーザーが思いつくままに回答しているのです。

ですが、「イノベーション」を考えるためには、このやり方ではなかなか実現が難しいのが現実です。それは、誰もが思いつくようなものであれば、すぐに実現可能である限りにおいて、誰かがすでにやっているからです。

つまり、ユーザーがパッと思いつくもので実現できていないのであれば、次のうちのどちらかが原因です。

  • 技術的に大きな革新が必要
  • リソースの問題で非常に困難(効果に対し費用が見合わないなど)

イノベーションを起こすためには、ユーザーから「言われてみれば確かに」と言ってもらえるような「インサイト」が必要なのです。 これをユーザーから引き出すためには、開発者の方がユーザーの生活様式や周辺の状況をつぶさに観察し、見つけ出す必要があります。

新結合の説明にあるように、「パッと見は関係ない物」を結びつける方法をいくつも試す中で見つかるものこそが「イノベーション」となりうるのです。

発想支援ツールとは?

重要であるがゆえに前置きが長くなってしまいましたが、ここからは「発想支援ツール」について説明を行います。

発想支援ツールとは「発想法」の技法をシステム化したもので、「人が発想を膨らませるプロセスに介入し、その情報の収集・保持・拡大・整理に有効なツール」のことを指します。

大きくはマインドマップツールとホワイトボード型に区分されることが多いようです。


マインドマップ型のツール

<XMind>
XMindは無料でも使えるマインドマップツールです。
キーワードを中心に放射状に思考を拡散していく際には非常に役立ちます。
関連性を表したり、マーカーや囲みで強調したりできるなど、役立つ細かな機能が入っています。

<Mindomo>
Mindomoは無料プランもあるマインドマップのクラウドサービスです。
テンプレートもあるので考えがまとまっていない場合もその内容を参考にしながら進めていくことが可能です。クラウドなので端末を選ばずどこでも作業ができるところも強みです。

ホワイトボード型のツール

<lino>
linoは簡単に使えるオンライン型のホワイトボードツールです。
アイデアの付箋だけではなく、写真を貼ったりすることもできるので、ビジュアルベースでのアイデアをまとめる際にも役立ちます。

<miro>
miroは多人数での同時編集が可能なクラウド型ホワイトボードツールです。 リアルタイムで同時編集が可能なためリモートでの打ち合わせをしながら同時にホワイトボードでのブレインストーミングを行うことも可能です。

発想支援ツールの限界

便利に思える発想支援ツールですが、同時に限界も存在します。

まず、インプットが「利用者の知識(と思い付き)」に限定されてしまうことが挙げられます。ご紹介した発想支援ツールは、どれも利用者の考えの発散や整理に役立つツールです。 しかし、思いもつかなかったアイデアを発想できるかどうかでいうと、それ単体では難しいものであると言わざるを得ません。

そして、利用者の知識の限界を超えようと思った場合、大規模なデータベースが必要となってしまうことも関係してきます。様々な情報をインプットするだけではなく、それらが整理されていないと、その情報の精査や関連性、妥当性などについて議論を行うことができなくなってしまうのです。

アウトプットの量と質を上げるためのインプットの量と質

ではアウトプットの量と質を上げるためのインプットとはどのようなものかを考えていきましょう。必要なのは、情報の収集、整理、意味づけがしっかりと行われていることです。

「情報の収集」のフェーズでは、オンラインにあるデータとして「インターネット上のデータ」に限らず「社内のネットワーク上にあるデータ」の両面を収集できることが重要です。

オフラインにある友人・知人・同僚などの情報も別の観点から必要になりますが、イノベーションを求められる状況においてはプロジェクト自体が機密事項であることも数多く、まずはオンラインの情報を中心として検討が進められるケースが多くなってきます。

これらの情報を「整理」することが次のフェーズです。
適切なインデックスを行い、情報に応じて関連度を設定するなどしてデータベース化を行うことで、利用可能な情報として成り立たせることが可能になります。

最後に「意味づけ」が必要です。
集めた情報をグルーピングしたうえで解釈し、どのような観点でその情報を分析するべきか。この作業をきちんとできると、イノベーションに必要な「インサイト」が見えてくるのです。

この一連の作業は人力でやるには非常に工数がかかってしまい、求められるスピード感に対してアウトプットの速度が見合わないケースも存在してきてしまいます。

その場合は、サイバネットが提供する「Goldfire」のような支援ツールをご利用いただき、量と質両方を高めるソリューションを活用いただければと思います。

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Goldfireとは?

イノベーションをより「起こしやすく」する。Goldfireは、そんな環境を構築できるソフトウェアです。普段気づかない知識を知りたい・他業種での利用方法や技術情報を知りたい・原因特定や問題解決を効率よく行いたい・培った技術や知識を組織内で幅広く共有したい、こんなお悩みをお持ちの方はまずはGoldfireの製品紹介のページをご覧ください。

イノベーションが「起こりやすく」なる状況とは?

次のような状況を満たした環境があれば、イノベーションへのプロセスは加速されるはずです。

  • 社内・社外の広範な知識を素早く収集することができる
  • 面白いアイデアを豊富に出すことができる
  • 問題・テーマについて、検討や意思決定をよりロジカルに行える
  • 結果はもちろん「検討過程」についても関係者で共有し活用できる

広範な知識を集めて「アイデア」の生成を支援するソフトウェア

様々な企業が「Goldfire」を活用しています

  • AGC株式会社
  • 味の素株式会社
  • キユーピー株式会社
  • サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社
  • 住友精化株式会社
  • 株式会社ダイセル
  • DIC株式会社
  • 株式会社デンソー
  • パナソニック株式会社
  • 株式会社富士通研究所
  • 藤森工業株式会社
  • 株式会社牧野フライス製作所
  • 三菱自動車工業株式会社
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