コラム「Goldfireで何ができるのか?」バックナンバー

2017.06いかにして線虫による癌診断研究は始まったのか?

「線虫を使って癌を診断する。そのコストは100円程度」
というニュースは記憶に新しいところですが、驚かれた方も多いのではないでしょうか。

ニュースを聞き、早速Goldfireで調べてみました。
2013〜2015年に、特許や文献が九州大学などによりいくつか出されています。
さらに「臭い」を病気の診断に利用する技術を調べてみると、黄熱病や痛風、糖尿病や癌に対して臭いでアプローチする研究や特許の情報があります。
また、そういった診断を目的とした臭いセンサーの技術の開発もあるようです。

技術的にも大変面白いのですが、その研究に至る経緯が興味深く、いくつかの記事でも紹介されていましたので、手短にご紹介します。

臭いによる癌診断の研究は、始まりは犬を使ったもので「癌探知犬」として飼育もされていました。そして、九州大学消化器外科の園田英人先生(※1)は、日本で癌探知犬を飼育している方と「癌と臭いと犬」について研究されていました。ただし、飼育コストが500万円程かかるという問題点がありました。

そんな中園田先生は、胃アニサキス(アニサキスは線虫の一種)の治療中に「アニサキスが【発見されていないようなごく初期の胃がん部位】に好んで食いついている」と気づきます。

さて、それとは別に、東京大学で線虫の嗅覚に関する研究をしていた広津崇亮先生(※2)が九州大学に赴任します。そして「線虫の嗅覚に関する専門家が九州大学にいる」と園田先生の耳にも入り、早速園田先生は「線虫と臭いと癌」について広津先生に相談し、線虫による癌診断の研究が始まっていきます。

これらの流れを「運」と言えばそれまでですが、「犬が癌の臭いを検知する」という知識を持った人が、アニサキスによる現象を知る。そして「アニサキスが癌細胞に食いつく理由は、臭いではないか?」と仮説を立て、線虫の臭いの専門家に相談に行く。そしてこの一連の流れは、「簡易で安い癌の診断」という目的によって動かされています。

目的、知識、考える、そして「人」。
これらの重要性を改めて感じてしまいます。

先日開催された「Goldfire イノベーションフォーラム2017」でも、Goldfireを使って社内文書を調査し専門家を探すようなお話を聞くことができました。
セマンティック技術による知識構築の支援だけではなく、問題分析や「人探し」も支援するGoldfireで、皆さまのイノベーションを引き出すために少しでも支援できれば幸いです。

※1:園田英人氏 2017年11月現在は伊万里有田共立病院 外科部長
※2:広津崇亮氏 2017年11月現在は(株)HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役

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