コラム
2DCADを使っている設計現場で見直したい手間がかかる3つのポイント
その作業、本当に仕方ないと思っていませんか?

手書き図面の時代から2DCAD、そして3DCADへと移り変わる過程の中で感じるのは、
2DCADを使っている現場ほど、ある種の「手間がかかる作業」が当たり前になっているということです。
例えば、こんな場面はないでしょうか。
- 設計変更のたびに複数の図面を修正する
- 図面や部品情報を見比べながら確認する
- 組立して初めて問題に気づく
こうした作業は、多くの現場で「仕方のないもの」として受け入れられています。
しかし本当にそうでしょうか。
かつてはそれで成立していましたが、現在は製品の複雑化や短納期化により、
設計の進め方そのものが変わりつつあります。
本記事では、2DCADを日常的に使う設計者の方に向けて、
設計現場で起きている“見えにくい手間”を整理し、その背景と改善のヒントをお伝えします。
設計現場で起きている手間がかかる3つのポイント
まずは、実際の現場でよく見られる「手間がかかる場面」を整理してみましょう。
① 設計変更のたびに複数の図面を修正する必要がある
2DCADでは、設計変更が発生すると、「正面図」・「側面図」・「断面図」といった複数のビューをそれぞれ修正する必要があります。
それぞれが独立しているため、「修正漏れ」や「寸法の不整合」が起きないよう注意が必要です。
設計変更そのものよりも、変更後の確認や修正作業に時間がかかると感じている方も多いのではないでしょうか。
② 複数の情報を突き合わせて確認する作業が発生する
2DCADの設計では、図面や部品情報が独立して管理されることが多く、
複数の情報を見比べながら確認する作業が発生します。
例えば、
- 正面図と側面図で寸法に矛盾がないか
- 部品図と組図で形状や寸法が一致しているか
- 図面と部品表の内容が合っているか
といった点を、一つひとつ確認していきます。
特に設計変更時には、修正内容が他の図面に反映されているか、また、部品構成に漏れがないかなどを注意深く確認する必要があります。
このように、複数の情報を人が突き合わせながら整合を取る作業が発生します。
③ 組立段階で初めて問題に気づく
図面上では問題がないように見えても、
- 部品同士の干渉
- クリアランス不足
- 取り付け順序の問題
といった問題が、実際の組立で発覚することがあります。
2DCADでは立体的な関係を完全に把握することが難しく、「試作」
- 「現場調整」に頼る場面が残ります。
結果として、後工程での手戻りや追加対応が発生しやすくなります。
なぜこうした手間が発生するのか
ここまで見てきた手間は、個別の問題のように見えて、実は共通した背景があります。それは、 設計に関する情報を、人がつなぎ合わせながら扱っているという点です。
例えば、
- 複数の図面を見比べる
- 部品図と組図を突き合わせる
- 図面と部品表を確認する
といった作業は、すべて人が情報の整合を取っている状態です。
そのため、修正のたびに確認が必要になりチェック作業が増えてしまいます。
また、これらの問題に対して、「作業ルールの見直し」・「チェック体制の強化」といった改善が行われることがあります。
しかし、このような対応を実施すると、多くの場合は、本来の設計以外の作業が増え結果的にスピードが落ちるといった別の負担が生まれます。
これらの理由は、情報を人がつなぎ合わせて扱う構造自体が変わらないためです。
この領域は、運用だけで改善し続けるには限界があると思います。
手間を減らす考え方|3DCADというアプローチ
こうした課題に対して、多くの現場で取り入れられているのが3DCADです。
3DCADでは、「形状」・「寸法」・「部品構成」といった情報を3Dモデルとして扱います。
これにより、
- 設計変更 → モデル修正 → 図面反映
- 部品情報 → モデルから取得
- 組立 → アセンブリで事前に確認
といった流れが可能になります。
つまり、情報を人がつなぐのではなく、モデルを中心に扱う設計に変わります。
その結果、これまで人が担っていた調整や確認の手間が減りやすくなります。
現場の感覚で言えば、作業を効率化するというより仕事のやり方そのものが変わるイメージに近いかもしれません。
設計段階で検証するという考え方|CAEの活用
さらに重要なのが、CAE(解析)との連携です。
3Dモデルがあることで、応力・変形・熱といった物理現象を、設計段階で検証できるようになります。これにより、試作回数の削減や手戻りの防止にも効果が期待できます。
CAEを設計初期に取り入れることで、後工程のトラブルが大幅に減少する事例もあり、特にCreoのような3DCADは、設計と解析(CAE)を連携しやすい環境が整っており、設計の初期段階から検証を取り入れやすいのが特徴です。
すぐに3DCADに移行しなければならないのか
ここまで読むと、「すぐに3DCADへ移行すべきか」と感じるかもしれません。
しかし実際には、次のような形で段階的に進めるケースが一般的です。
- 新規設計から3D化
- 一部製品から導入
- 2Dと3Dの併用
重要なのは、日々の作業の中にある“手間”に気づくことです。
「当たり前」になっている手間に気づくことが第一歩
2DCADを長く使っていると、日々の作業は自然と身についていきます。
なぜなら、それが「当たり前」になっているからです。
しかしその一方で、
- 無駄な手間
- 防げたミス
- 減らせたコスト
は気づきにくくなります。
設計の進め方は、確実に変化しています。これからは「モデルベース設計」・「CAE活用」・「データ連携・一元管理」が前提になりつつあります。
こうした流れの中で3DCADは、単なるツールではなく設計の基盤として位置づけられるようになってきています。
もし今、日々の業務の中で少しでも違和感があるなら、それは改善のヒントかもしれません。まずは小さな範囲からでも構いません。3DCADという選択肢を考えてみるのはいかかでしょうか。

