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テクノプロ・デザイン社全国に散らばる技術社員のCAE関連の教育にサイバネットCAEクラウドを活用


設計開発のプロ集団テクノプロ・デザイン社

テクノプロ・デザイン社は、製造業を中心にAI、制御システム、機構・ハードウェア、ソフトウェアに関する設計開発に特化した技術サービスを提供している企業です。同社には約7000人の技術者が正社員として在籍し、製造メーカーや最先端のIT技術が求められる情報通信関連企業、未知の領域に挑戦を続ける研究機関など大手・優良企業を中心にお客様をサポートしています。客先に出向する技術者派遣の事業だけではなく、請負や受託のかたちでの事業支援や、最新技術を用いた研究開発、共同開発、教育研修の提供など幅広く事業を展開していることが特色です。

全国に散らばる技術社員の教育をどうすればよいか

テクノプロ・デザイン社の技術者は、北は北海道から南は鹿児島まで、日本全国に散らばって働いています。そのような技術者にどのようにCAE関係の研修を受けてもらうかが課題でした。まず、全国にある当社拠点などに十分に配置しようとしたら、講師が数十人は必要になると試算しました。さらにCAEのライセンスを教育用として各地方拠点に対してしっかり確保しようとすると、予算の都合からその数には限界がありましたし、導入したところで長期間使われない“遊休”ライセンスが出てきてしまうといったことも想定できました。またCAEソフトウェアを稼働させるためには高スペックのワークステーションを各拠点に用意することが必要となり、教育用だけにこれら環境を用意することは現実的ではありませんでした。

そのため、研修を受けてもらうには、顧客の現場での業務を休んで、CAEのライセンスを持っている拠点に集合してもらうしかありませんでした。例えば北海道から東京に来てもらうとなれば、研修の度に数時間の移動を伴う出張の負担を強いる事になります。さらに顧客にとっては実質「休暇」扱いとなって業務に穴を開けることになり、当社にとっては売り上げの損失ということになります。

こうした背景から、技術社員から研修を受けたいという要望が強い一方で、受講率は思うように上がらないというジレンマがありました。そのため、当社では新型コロナウイルスの問題が起こるかなり以前から、クラウドの導入やオンライン研修の整備を検討していました。技術社員からもオンライン研修の要望が多数ありました。その一方、当社にとってはクラウド環境のためのIT環境構築は、導入、運用上のハードルが多く、時間を要してしまうことが問題でした。

サイバネットシステムが提供する2つのソリューションを組み合わせることで解決

CAEのオンライン研修導入においてブレークスルーとなったのは、「サイバネットCAEクラウド」と「Ansys Elastic Currency(以下AECという)」が登場したことでした。当社が特に悩んでいた、必要なライセンス確保をしなければいけない問題が、これらのクラウドサービスを合わせて使うことで一気に解消しました。

また自社でAWS(Amazon Web Services)などのクラウドを利用してリモートデスクトップを導入、AECを使おうと検討しましたが、その場合、システム構築から導入、保守運用まで社内のIT部門も含めた横断的な取りまとめが必要であり、かつCAE専任講師による日常的な研修環境の構築に多くの工数とITの専門知識を要することが想定されました。しかし、サイバネットCAEクラウドなら、クラウドやネットワークなどに関して深い専門知識がなくても導入や運用サポートをしていただけるので安心です。

Ansysスキル習得のニーズが高かったため、サイバネットが候補に

当社の顧客には、特にAnsysユーザーが多く、Ansysを使えるエンジニアのニーズが高いです。顧客満足度をより高めるため、技術社員に向けたANSYSのCAEツールの研修整備は必須でした。そのため、Ansys国内代理店であるサイバネットが自然と候補に挙がりました。

AWSを簡単に利用できるCAEクラウドをサイバネットが提供していたことも導入の決め手に

まずサイバネットCAEクラウドで非常に優れていると感じた点が、ソフトウェア操作時の低遅延でした。サイバネットの担当者に「高速リモートデスクトップ」によるリモートアクセスのデモを見せてもらい、それを実感しました。それと併せ、受講生用サーバーの作成や稼働状態、アクセスIDの発行や利用状況、ライセンス費用などの管理がGUIベースで行える「CAEポータル」が直感的で分かりやすかったことも採用の決め手となりました。また、サイバネットCAEクラウドはAWSをインフラとしており、さまざまなタイプのインスタンスを選択でき、オンプレでワークステーションを各拠点に導入するよりコストが抑えられることがわかり採用を決めました。

なおサイバネットCAEクラウドの導入時に、社内のIT部門とのセキュリティ関連の折衝や、クラウドへの接続についてセキュリティチェックシートへの記載と説明をしていただき、導入を進めていく際には、サイバネットのAWS認定ソリューションアーキテクトプロフェッショナルを取得しているエンジニアが間に入ってコミュニケーションをしっかり取り、支援してくれました。

技術社員のスキルアップが自在に

サイバネットCAEクラウドとAECによるオンライン研修により、東京本社にいる講師からオンラインで全国にいる技術社員に対して研修を提供可能になりました。

オンライン研修と実地研修との教育内容の質は大きく変わらないと当社では考えています。導入前には、「顔が見えなくて伝わりづらい」と懸念する声もありましたが、実際にはWeb会議やコミュニケーションツールなどをうまく活用すれば、教えやすいようにいくらでも工夫可能であり、「不便である」「伝わりづらい」といった声はあまり聞こえてきません。

AECは利用可能なソルバーが豊富であることも魅力ですが、技術社員から「客先業務を遂行するにあたりスキル習得が必要である」と要望のあったAnsysなどの特定のソルバーの研修も、その時のニーズに応じて柔軟に用意することが可能になりました。受講者にとっては、落下計算や大変形といった非線形解析など、自分が習得してみたい、操作してみたいCAEツールがすぐに使えることで、学びやすくなってスキルアップが図れるようになったので、顧客によりコミットできるようになったと思います。

もしもCAEクラウドを使わず、それと同等の質の研修制度をリアル研修で提供しようとしたら、全国の拠点に配置する数十名以上の講師の手当や労務費、ライセンスやサーバー費用、技術社員の交通費など、もろもろ積みあがって相当な額になっていたのではないでしょうか。費用対効果について簡単に語ることはできませんが、そうしたことを考えると、非常にコストメリットが大きいことは間違いないと考えています。

今後は、現在主流であるアウトソーシング事業以外に、ソリューション事業として設計コンサルティングの比重を上げてゆき顧客の課題解決を一緒になっておこなえる体制を整えていこうと考えております。(その一手段としてサイバネットCAEクラウドとAECを活用していきたいと考えています。)さらに社内にはAIや機械学習に強い技術開発部隊がおりますので、CAEの知識を習得した解析メンバーとのコラボをおこない、AI x CAEといった最先端のコンサルティングを担える部隊が育ったらと期待もしています。


テクノプロ様CAEクラウド構成図

サイバネットCAEクラウドとは

サイバネットシステムの「サイバネットCAEクラウド」は、CAEアプリケーションをクラウドサービスとして提供しています。十分なセキュリティ対策が施されており、可用性、信頼性、拡張性の高いAWSクラウド基盤上でサービスを運用しています。サービスを運用するエンジニアは、AWS認定資格取得エンジニアが行い、高いスキルとCAEソフトの豊富な知識でお客様の解析業務を支援します。

サイバネットシステムは、CAEソリューション(機械系、制御系、システム系、光学系、光学測定システム、CAEクラウド)やITソリューション(クラウドセキュリティ、エンドポイントセキュリティ、IT資産管理、ITインフラストラクチャ)、AR/VR・可視化ソリューション(可視化、画像解析、AR/VR、医療用AI診断支援)ビッグデータソリューション(IoTデータの可視化、分析)の各分野でAWSを活用したクラウドサービスを提供しております。

AWSアドバンストティアパートナーです。お客様の課題をAWS認定資格取得エンジニアが各種サービスを活用し、解決に導きます。