リッジ導波路における歪みの影響のモデル化

歪みは、多くの種類のデバイス性能に影響を与える重要な要因となり得ます。例えば、光ファイバで複屈折を誘発して偏波モード間での微分群遅延差(DGD)を変化させたり、ファイバ・センサや偏波保持(PM)光ファイバ増幅器の動作に影響を及ぼしたりします。歪みは、ファイバの製造プロセスから生じることもあり得ますし、故意に取り入れられたり、または自然に生じたりもします。さらには、異なる膨張係数を持つ材料からなる導波路デバイスで、熱環境から生じる(あるいは制御される)こともあり得ます。

Multi-Physicsユーティリティは、歪みによる弾性光学効果を解析するために使用できます。歪みが次の例題の中心ですが、Multi-Physicsユーティリティでは、電気光学、熱光学、キャリア誘起の各効果をシミュレーションできます。さらに、これら物理的なプロセスに関する全ての材料パラメータは、ソフトウェアと共に供給される材料ライブラリに見出せるかも知れません。最後に、Multi-Physicsユーティリティによる解析から得られた結果は、BeamPROP、FullWAVE、FemSIMのようなデバイス・ツールのシミュレーション・エンジンで利用できます。

ツール
カテゴリ 導波路デバイス、モード解析

デバイス・レイアウト

下記の例題では、埋め込み型のリッジ導波路はSiO2中のSiで実現されています。導波路の寸法は、高さ2μm、幅2μmで、スラブの高さ1μmです。
シミュレーションは、屈折率プロファイルに釣り合った変化と共に、異方性歪みの計算結果を表しています。これ以降のモード計算では、歪み効果の有無で、基本モードの実効屈折率が約0.0016の変化を示しています。


図1:SiO2に埋め込まれたSiリッジ導波路に対する歪み計算、
歪みプロファイルの構成要素X(左)とY(中央)、対応する屈折率の摂動(右)

図2:Si-SiO2導波路のモード計算の結果、歪みあり(右)と歪みなし(左)、
注:モードの実効屈折率は約0.0016変化している