リング共振器のモデル化

リング共振器は、波長選択性を必要とするアプリケーションのために、高いQ値を持つフィルタとして動作する非常に有用なデバイスです。この種のデバイスには共振点が多数あり、その共振波長だけが出力導波路に結合されます。他の全ての波長は、結合せずに入力導波路を通過して除外されます。したがって、リング共振器は本質的に多数のストップ・バンドを持つ光学的ノッチ・フィルタです。
このアプリケーション事例では、リング共振器をFDTD法で解析します。最初に、共振スペクトルを決定するためにパルス応答を用います。次に、共振波長の1つで、デバイス全体を通しての伝搬をデモするためにCWシミュレーションを用います。

ツール
カテゴリ 導波路デバイス、WDMデバイス、センサ/フィルタ

デバイス・レイアウト

この例題で用いる構造は、幅(width)が0.2μmで屈折率3の導波路から成ります。波長2μm付近での共振を詳細に確認します。これらの導波路は、リングから0.2μm分離されています。リングの内側と外側の半径は各々R1=R-width/2およびR2=R+width/2です。ここで、R=1.7μmです。
この構造はCADでは以下のように見えます。

ここで、緑のオブジェクトは解析に用いるタイム・モニタです。入力信号は左下のポートから入り、(共振波長以外は)左上のポートから出て行きます。共振波長は、右下のポートから出て来ます。

シミュレーション:パルス励起

最初に、パルス励起を用いてリング共振器に関する波長/周波数スペクトルを計算します。光源は、入力ポートの基本モードで、波長(μmレンジ)に等しい時間的な半値全幅を持ちます。シミュレーションが終了すると、デバイスの波長応答を生成するために、タイム・モニタで保存されたデータに対してフーリエ変換を実行します。

上の図で、緑線はスルー・ポート(左上)を表し、青線はドロップ・ポート(右下)を表しています。

シミュレーション:CW励起

次は、波長応答で示された1.977μm付近での共振に注意を集中します。そのため、その値に波長を設定してCWシミュレーションを用います。そのシミュレーション結果は、以下の通りです。

ここで、シミュレーション・ウインドウの下部(グラフ)は、タイム・モニタの結果(時間領域における)を表しています。シミュレーション終了時には定常状態に至り、リングのエネルギーは蓄積され、ほとんど全部のフィールドが出力導波路に伝搬していることをシミュレーション結果は表しています。パルスとCW両方の計算を利用することで、このデバイスのスペクトル応答を計算し、共振時におけるデバイスのCW動作を例証しました。