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2022.4

製造業におけるIoT活用のメリットを解説

製造業に欠かせない取り組みとなりつつあるのがスマート工場の実現、あるいは工場へのIoT導入です。これらを実現できないと、厳しい競争を勝ち抜けない恐れがあります。必要性は認識しつつも、具体的なメリットがわからず導入に踏み切れない方もいるでしょう。この記事では、製造業がIoTを導入するメリットと導入時・活用時のポイントを紹介しています。以下の情報を参考にすれば、IoT導入後の工場をイメージしやすくなるはずです。

スマート工場とは

スマート工場は、IoTやAIなどの最先端技術を用いてデジタルデータを活用しつつ、業務管理を行う工場です。最も大きな特徴は、デジタルデータを収集・分析することで業務の最適化などを進める点といえるでしょう。具体的には、IoT機器に搭載されたセンサーが集めたデータをAIが分析することで業務の最適化などを進めていきます。

スマート工場は、第4次産業革命に対応したモノづくりに欠かせない工場と考えられています。第4次産業革命は、工場の機械化を実現した第1次産業革命、大量生産を実現した第2次産業革命、高度なオートメーション化を実現した第3次産業革命に続く産業革命です。IoT、ビッグデータ、AIなどによりもたらされると考えられています。この流れに乗り遅れないため、工場のスマート化は不可避といえるでしょう。

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製造業でIoT化するメリット

スマート工場で中心となるのがIoTです。工場にIoTを導入することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。

生産性の向上

生産管理システムを活用することで、設備やヒトの稼働状況をリアルタイムで把握できるようになります。各工程の完了時間を予測できるため、生産ライン全体の最適化を図れます。つまり、設備と人が稼働していない時間を最小化できるのです。また、ヒトの作業状況に関するデータをロボットに学習させることで、ヒトの作業に合わせてロボットが稼働できるようになります。これにより、ヒトの作業効率を高められます。

品質確保

センサーで作業データを収集することにより、ミスが起こりやすい工程を把握できます。分析結果をもとに、教育を実施したり設計を変更したりすることで、不良率を引き下げられます。同様に、品質にばらつきが出る原因を特定することも可能です。加工改善モデルを作成して用いれば、品質のばらつきを抑えられます。つまり、品質が安定しやすくなるのです。

コストカット

蓄積した設計事例を解析することにより、材料使用量の削減につながるポイントを見つけられます。この知見をもとに作成した設計改善モデルを用いれば、製品設計を最適化して材料使用量を削減することが可能です。また、過去の受注・生産・出荷データを分析することで、将来の需給を正確に予想できるようになります。これに基づき生産計画や出荷計画を自動で作成することで在庫を削減できます。

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製造業がIoTを活用するときのポイント

製造業がIoTを活用するポイントは次の通りです。導入時と活用時にわけて解説します。

導入時のポイント

IoT導入にあたり、不安を感じる経営者は少なくありません。従業員の抵抗にあう経営者もいるでしょう。不安を感じるときは、自社の課題を他の方法で解決できるか検討することをおすすめします。必要性が明らかになれば、力強く推し進められるはずです。

IoT導入の意志を固めたら、自社の課題を解決するIoTツールなどの構想・企画を練らなければなりません。このときに役立つのがITに強い社内人材です。ITに強い人材を中心に、プロジェクトチームを起ち上げましょう。

IoTツールの開発は、基本的にIT企業と協働で進めます。ポイントは、現場目線で開発を進めることです。自社に適したIoTツールの開発が難しいときは、自作することもできます。製造業ならではの視点を加えて、自作したIoTツールを販売してもよいでしょう。

IoT導入にあたり、問題になりがちなのが初期コストです。具体的な金額はケースで異なりますが、通常はそれなりの出費になります。負担を減らしたい場合は、補助金の活用を検討するとよいでしょう。IoT導入に、ものづくり補助金などを活用できる可能性があります。

活用時のポイント

IoT導入の目的は企業で異なります。自社が抱えている課題を認識して、課題解決に向けて活用することが重要です。データ収集・データ分析・データによる最適化などのステップにわけて活用方法を検討すると有効活用しやすくなります。

IoT導入にあたり、不安を感じるのは経営者だけではありません。IoTの利用に不安を感じる従業員は多いといえるでしょう。利用を促すため、積極的な情報提供を心がけ、経営者がメリットを説明するなどの取り組みが必要になることもあります。従業員に対するフォローも必要です。

IoTツールを組み合わせてスマート工場化を図っていくこともできます。ひとつのIoTツールに慣れたら、他のIoTツールの導入も検討しましょう。既存のデータや知見を活かせるIoTツールを導入すると、業務改善を図りやすくなります。

製造業の課題はIoTで解決

製造業がIoTを導入するメリットと導入・活用時のポイントを解説しました。IoTの魅力は、生産性の向上・品質確保・コストカットなどを実現できることです。導入することで、さまざまな課題を解決できる可能性があります。また、競合他社との差別化にもつながるでしょう。ただし、導入にはそれなりの初期コストがかかります。初期コストに不安を感じる場合は、補助金の活用などを検討してみてはいかがでしょうか。

サイバネットシステムでは、IoT化やデジタルツイン導入のサポートをさせていただいております。是非ご相談ください。

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