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Neural Concept Shapeを用いた ディープラーニングによる逆止弁設計の強化

Danfoss社は現在、Neural Concept社と共同で、同社の製品設計ワークフローへのNeural Concept Shapeを用いたディープラーニング技術との統合作業を進めています。この技術は最初に、逆止弁の新規設計の中で評価されました。
質量流量、圧力損失、ピストンに掛かる揚力、および逆止弁内部の定常的な3次元流れ場を評価することにより、NCSモデルは新規設計上での逆止弁の性能を予測するために使用されました。
モデルトレーニングには,約 100個の設計デザインとそれに対応する CFD シミュレーション結果が使用されました。未知の形状に対し、予測結果とCFDシミュレーション結果との相対誤差は約1%でした。

上段:流体体積の中央断面における水平方向の流速分布(テストデータ)
下段:上記の静圧分布

ピストンヘッド上の静圧分布(テストデータ)

静圧場の予測結果(3D点群表示)

Neural Concept ShapeのNeural Design module(ニューラル・デザイン・モジュール)はスマートかつ革新的、ノンパラメトリックな手法で新しいデザインを生成できるため、本事例にも適用されました。

上記のツールを組み合わせて多目的最適化を行い、各世代で50個の新しい設計データを生成し最適化による15回の反復計算を行い、合計750個の設計データで評価しました。全体の所要時間はGPUを利用し約10時間でした。
最適化の結果、非常に広い設計空間が探索され、逆止弁の全開状態における質量流量が約10%改善されました。

最適化による繰り返し計算で生成された設計点(異なる色でプロット)と設計点上のパレート最適集合(パレートフロント)。ピストンに作用する力を最大化すること、および質量流量を最大化することを2つの目的としています(ここでは最小化されるように負の符号で示している)。

■Danfoss社について
Danfoss社は、機械の生産性の向上、排出ガス削減、エネルギー消費の低減、電動化を可能にするソリューションを開発しています。Danfossのソリューションは、冷凍、空調、暖房、電力変換、モーター制御、産業機械、自動車、船舶、オフハイウェイおよびオンハイウェイ機器などの分野で使用されています。また、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーや、都市の地域エネルギー・インフラにもソリューションを提供しています。
Danfossの革新的なエンジニアリングの歴史は1933年に遡ります。Danfoss社は家族経営の企業であり、42,000人以上の従業員を擁し、世界95ヶ所の工場を通じて100ヶ国以上の顧客にサービスを提供しています。www.danfoss.com

■Neural Concept社について
Neural Concept社は、エンジニアリング強化のためのディープラーニングツールとアルゴリズムを開発しています。研究開発サイクルのスピードアップ、製品性能の強化、次のエンジニアリング課題の解決により、顧客の製品設計方法に革命をもたらします。 同社は2018年、スイスのEPFL大学にある一流のAI研究ラボで設立されました。“インテリジェンスによって産業工学の未来に革命を起こす”という当社のビジョンに全面的にコミットする35名以上のメンバーからなるチームです。

This article is based on the following Neural Concept web page article: Danfoss - Enhancing Check Valve Design with Deep Learning
https://www.neuralconcept.com/post/danfoss-enhancing-check-valve-design-with-deep-learning

Neural Concept Shapeとは
サロゲートAI構築ツールNeural Concept Shape (NCS)は、CAEデータを学習して、圧倒的な速さで設計評価を行う深層学習AIツールです。通常のCAEなら数時間かかる高精度なシミュレーション結果を数秒~数分間で得ることが可能です。
製品詳細はこちら:https://www.cybernet.co.jp/iot/products/neural_concept_shape.html

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