照明光学系の設計委託 〜概要編〜

ここでは、照明光学系の設計委託の際に押さえておきたいポイントについてザックリご紹介します。今後、「詳細編」として各ポイントをもう少し詳しく取り上げたいと考えています。

そもそも照明光学系とは?

照明光学系とは、何かを照らす(=照明する)ことを目的とした光学系です。
ここで言う「何か」には、比較的イメージしやすいスクリーン、部屋の壁、道路などの他にも、人間の眼、測定器など様々な対象が含まれます。
照明光学系は、照明機器、プロジェクター、ディスプレイ、露光装置など多くの光学製品の根幹をなしています。また照明光学系を構成する要素は光源、レンズ、ライトガイド、リフレクタ、拡散板など多岐に渡るため、一口に照明光学系と言ってもその構成には様々なバリエーションがあります。

ちなみに照明光学系とよく並べられることが多い「結像光学系」は、カメラ用レンズなど、像を結ぶことを目的とした光学系です。

委託設計の際に必要な情報は?

必須情報としては、大まかには以下2点です。

@ 達成したい目標は何か?(目標性能)
A 既に決まっており、動かせない要素は何か?(制約条件)

この部分については、委託せずに自社で光学設計を進める際も同様の考え方になるかと思います。これらを明確化しておく=設計のスタート地点に立ったと言えるのではないでしょうか。
わかりやすいように、シンプルな例としてLED用集光レンズの設計委託を検討する想定で、上記2点を明確化してみます。例えば以下の通りです。

@目標性能

  • 光の取り出し効率が80%以上
  • 指向角が20度以内

A制約条件

  • レンズのサイズはΦ20mm以内、高さ15mm以内
  • LEDの指定あり(〇〇社の型番〜〜)
  • レンズの材質はアクリル
  • レンズ表面にはコーティングを施す想定

このような情報があれば、委託先との認識合わせをスムーズにすすめることができます。

目標性能

上記の例では、取り出し効率と指向角を例に挙げました。取り出し効率とは、光源から出射した光をどれだけ有効活用できているかを示す指標で、「目標領域に到達する光の量 / 光源から出射する光の量」で表されます。指向角は光の広がりの角度のことです。照明光学系では、その他に以下のような項目が目標性能に関係します。

  • 照度
  • 輝度
  • 強度(強度分布のことを配光と呼びます)
  • 色度

さらにこれらの項目を使った目標にも、「照度〇〇lx以上」など定量的なものから、「ムラが気にならないこと」など定量化するには少し工夫が必要なものなど、様々あります。いずれにせよ、設計の方向性がブレないように最初に目標をきちんと明確化しておく必要があります。委託先とディスカッションしながら目標性能を定めていく、といった進め方でも良いと思います。

制約条件

設計の方針を定めやすくするためにも、はじめに制約条件を洗い出しておくことが重要です。上記のレンズの例のように、

  • 寸法
  • 使用する光学素子
  • 光源の明るさ
  • 材質
  • 表面特性

など様々な項目が制約条件になりえます。

制約条件は後々設計ソフトウェアに落とし込まないといけないため、制約条件を明確化した後はこれらに関するデータを収集する必要があります。特に材質や表面特性については、それらを後々「数値として表される物理特性」に変換することを念頭に置いておきます。使用するソフトウェアによってどのようなデータを収集すれば良いかが変わる可能性がありますので、委託先にどのような形式のデータが必要かを確認すると良いかと思います。

制約条件については、今後もう少し詳細な説明ページを作成する予定です。

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