マルチモードファイバ (MMF) の入力側に挿入された軸上の光学素子の特性は、伝播するモードパワー分布 (MPD) に大きく影響する。
予測可能で再現性のある安定したシステムを実現するために、そしてMMFシステムの利用範囲拡大を促進するために、システムデザインおよび特性評価方法の改善が必要であり、新しい規格の定義が求められる。
これを実現するため、我々は再現性のある新たなMPD測定法と数理モデルを、その理論的定義と共に開発した。
本文では、近接場パターンに基づいたグレーデッドインデックス型マルチモードファイバ (GI-MMF) のエンサークルド放射束 (EF) の数理モデルを修正して、遠視野パターン (FFP) に基づくステップインデックス型マルチモードファイバ (SI-MMF) のエンサークルド角度束 (EAF) を定義する。
例として、廉価な短距離接続用に使われるSI-MMFを用いて、ファイバ沿いのMPDの変化を示し、コアモードのエバネセントの裾がクラッドまで広がることによる大きな挿入損失上昇を明らかにし、また平衡モード分布 (EMF) の特性を示す。
上記のEAFモデルはこれらの現象の定量化を可能にする。我々はさらにEMDの目標値とその公差のテンプレートを提案する。
デバイスシステムの設計者がこのEAFによるテンプレートを利用してファイバ入射条件を設定すれば、 供給元や製造方法が異なる部品で置き換える場合にも各部品の評価を正しく行える。
我々はこのコンセプトを総合MPD管理 (Total MPD Management)と呼んでいる。
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