このオプテックス・エフエー様の画像処理用LED照明の設計開発に、照明設計解析ソフトウェア 「LightTools」、光源測定データ変換ソフトウェア 「ProSource」が使われています。
今回のインタビューでは、同社 開発グループの守谷 智昭様にお話を伺いました。(以下、敬称略)
守谷 : | LightToolsの導入については、当初は関連子会社のジックオプテックスで開発している光電センサの解析を行う予定で導入したんですよ。 ジックオプテックスでの導入後、しばらくしてから当社でLED照明の自社開発を行う事になり、そのままLEDを載せるだけでは商品として面白くないので、レンズを付けて特色を出していこうという流れになりました。そこで、良いツールがあるやないかと(笑) (LightToolsを)触ってみるとかなりLED照明の開発に使えそうという事で、3年前から僕が使っていますね。 |
守谷 : | 食品、薬品、化粧品といった三品業界向けの製品がやはり多いです。画像センサなどは、食品業界だと賞味期限の誤印字等の検査に使われていますよ。また、半導体関連の引き合いも増えています。半導体の工場は高速でセンシングする必要があるので、かなり明るい照明が要求されます。まあ、当社のLED照明は明るい!というところで評価されています。ありがたい事に、引き合いは多いです。 |
守谷: | いやいや、無いと困ります。無いとレンズ設計は難しいですね…。僕はほぼ毎日使っていますし、設計者も増えてきましたし、かなり使い込んでますよ。 |
守谷: | うーん、そもそもLightToolsを使って開発を始めたので、無い状態での設計工数、コストが減ったか?というのは見積もれないですね。ただし、LightToolsがあるおかげでレンズパターンは幾つでも試せるので、試作の時間は省略されていると感じます。開発スピードがかなり速い事は実感しています。ただ、色んなパターンを試せすぎてしまって、データがどんどん溜まってしまって(笑) 仕分けや整理が大変かな。 |
守谷: | ムラ、と言いますか均一性には注意して設計しています。普通に設計しますと、やはり中心は明るく、端が暗くなる傾向にあります。工業用途ではカメラで撮影できる範囲の光の一律性が求められるので、その範囲の光の均一性には注意して設計を行っています。お客様から求められる範囲を少し超えた辺りまで、カバーして設計しています。 ただ光源のデータが正確でないと、シミュレーションと実測が合わなかったんですよね。 今はProSourceから落としたニアフィールドデータを使って、LightToolsでシミュレーションしているので良いのですが。 (カタログデータとニアフィールドデータの違いに関する資料はこちらから) |
守谷: | はい。メーカーが出しているLEDデータシートの角度強度分布のグラフから、1点1点見て、データを取って、手入力でLightToolsに入力していました…。(遠い目) でも、そうして作った光源データでシミュレーションしても実物と合わない。当初は悩みました。レンズや筐体の反射率を見直してみたり…でも合わない。 そこでサイバネットからニアフィールドデータを使ってみては?との提案があり、使ってみると、あらビックリって状態でしたね。実機とシミュレーションがあった!って。 |
守谷: | はい、そうです。ファーフィールドでは照度の解析結果が全然違いました。ファーフィールドの光源データを使ってLightToolsで照度分布を解析すると、端で”すとん”と落ちる様な分布が得られましたが、実機では端がなだらかな分布になるんです。この実機に角度を付けて配置した場合だともっとずれて、最大80%くらいずれていましたね。 ニアフィールドのデータを入れて解析すると、実機の結果にかなり近づきました。誤差が5分の1程度になりました。きちんとデータを作れば誤差はもっと減らせますよ。精度良くデータを作ると誤差は10分の1になります。これがファーとニアでの解析結果を実測と比較したグラフです。 (解析結果のグラフはこちらから) |
守谷: | そうですね。今はニアフィールドのデータをかなり信用しています。開発を始める前には、まず光源メーカーからProSource用の光源データを入手しています。 |
守谷: | 技術的な事ではないですが、やはりお客様の声ですね。開発初期段階でマーケティングを行っているので、ある意味お客様からのフィードバックを元に開発を進めています。基本的には営業がお客様の声を拾ってくるのですが、技術者も含め社員一丸となってお客様の声を拾っています。ちょうどお客様の声を集めて開発したのが、このセンシングLEDリング照明です。
![]() 現在発売中のLEDリング照明 リング型になっていて、この丸の中にカメラを入れて直接検査物を照射する様になっています。 バータイプだと角度によって見え方が変わってきたり、カメラとの位置関係によって場所を取ったりしますが、このリング形状だと照明とカメラが一体になっている状態なので、見え方が変わる事も場所を取る事も無いです。 このリング型LED照明の開発にも、LightToolsが活躍しましたよ。 |
守谷: | 他の利用者から聞いた話ですが、少し前からLightToolsを使い始めた者でも、”使い勝手は良い”と言っていますね。使いながら覚えることができている、という感じです。ただ、WEBサポートページが見辛い・・・という声は聞きますね。資料のダウンロードページがFAQに全て纏まっていたり、どこにどういう資料があるか、少しわかり辛いらしいです。 |
守谷: | 僕個人としても、確かに見辛いと感じるかな。ただ、マニュアルなんかも何年か前は英語直訳に近い状態でしたが、近年はすごく良くなっていますよね。そういった意味で、サイバネットさんは顧客のリクエストに応える会社だと思っていますので、是非よろしくお願いします。 |
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