HUD(ヘッドアップディスプレイ)システムの設計課題へのソリューション

HUD(ヘッドアップディスプレイ)とは

HUD(ヘッドアップディスプレイ)は空中に運転に関連する様々な情報を表示する、ドライバーの運転補助デバイスです。
ADAS(先進運転支援システム)では、様々なセンサーを利用して周囲の状況を認知、把握しています。得られた情報をドライバーに素早く伝えるデバイスとして、HUDの導入が近年急速に進んでいます。

HUDは視点を手元に移動せずに、情報を確認できるため、周囲の運転環境の把握がおろそかになってしまうという問題が生じません、また、視点の移動が少ないため、長距離を運転しても疲れにくい、という特徴もあります。
近年、広画角化やAR HUDという新しいタイプのHUDの開発も盛んに行われており、2025年には現在の3倍の市場規模になるという予測もされています。

HUDの光学的な技術課題

HUDの光学系には、以下のような様々な課題や要望に応える必要があります。

(課題1) 運転中の眼の位置の変化

運転中絶えず眼の位置(視点)は変化します。視点の移動に伴って、見え方に変化があると、情報が見にくくなります。場合によっては事故の原因にもなりかねません。そのため、視点が移動しても見え方の変化が少ない設計が必要です。

(課題2) HUDの占める大きさの制約

ダッシュボードの中には空調用のダクトなど多数の部品が混在しており、HUDを配置できる大きさには制限があります。そのため、所定のサイズ内に収めるような設計を行う必要があります。

(課題 3)迷光への対策

HUD等の光学系では、予想外の経路を通って不要な光が目に届くことがあります。
これを迷光と呼びます。迷光が発生するとHUDの視認性が下がってしまいますので、設計時には、迷光が発生しないように対策が必要です。

光学/照明設計ソフトウエア(CODE V/LightTools)を使ったHUD設計のソリューション

光学設計解析ソフトウエアCODE Vでは、課題1、課題2 に対して有効な対策をとることができます。
照設計解析ソフトウエアLightToolsでは、課題3に対して有効な対策をとることができます。
その具体的な事例を紹介します。

CODE Vを用いた課題への対応

運転中の眼の位置の変化

まず、"運転中の眼の位置の変化"への対応について説明します。
ここでは、アイボックスの左右端の視点を比較します。評価の基準は像の歪みです。
下図の黒い格子が目標とする理想的な状態の像(縦100mm×横250mm)を表し、赤い格子状の模様が実際にHUDで見える像を表します。

最適化前の状態を表す上の図は、歪みが非常に大きく、また左右の視点で歪み方が大きく異なることが分かります。これは視点を移動させると表示像が著しく変化することを表します。
これに対して、CODE Vの最適化した下図では、歪みが非常に小さくなっています。
また、視点の移動に対して表示像の変化が非常に小さい、HUDにとって望ましい状態になっています。

HUDの占める大きさの制約

次に、"HUDの占める大きさの制約"への対応について説明します。この図は、CODE Vの最適化前後のHUD部の2次元断面を表します。設計仕様は 横断面で、縦100mm×横200mmです。 最適化前は、縦方向の空間制約100mm以下を満足していませんが、最適化後は、縦横どちらの方向も空間制約を満足していることが分かります。
ミラーによる意図しない光線のブロックが発生しないような条件も加えて 設計を行いましたので、この条件も満足していることが分かります。

LightToolsを用いた課題への対応

LightToolsではHUDシステムの迷光解析が可能です。HUDは限られた機構空間にミラーを配置した複雑な光学システムです。
表示用のディスプレイから発した光を何回も反射させて、フロントガラス上に速度計やナビゲーションを表示させています。
その光路の途中で発生する光の漏れや多重反射を迷光と呼び、フロントガラス上で不測の光ノイズやグレアを起こす原因となります。ここではLightToolsでどのように迷光を予測できるかをご紹介します。

LightToolsのHUDシミュレーションモデル

LightToolsのHUDシミュレーションモデル

車を運転するドライバーが見るフロントビューにナビゲーションを表示するHUDのシミュレーションモデルです。
ドライバーからは以下のように視界を観測できます。

ドライバービュー

さらに、ドライバーの視点が変化するとナビゲーションの見え方が変わります。



視点を変更した際のHUDの表示位置の変化

HUD内部の迷光解析

LightToolsには通過部位や通過回数、到達位置でHUD内部の光路を場合分けするレイパス機能があります。ドライバーの視界に光ノイズやグレアが発生した場合、その原因となった箇所を探索することができます。

HUD内部の迷光解析

本画像では、特定のグレアの原因となった光路を抽出していますので、後の設計変更に役立てることもできます。

HUDに関連する光学設計事例

本ページでご紹介した事例の他にもHUDに関連する事例を公開しています。
資料ダウンロードも可能となっておりますので、ぜひご参照ください。

ヘッドアップディスプレイ(HUD)の高倍率化の光学設計事例
ヘッドアップディスプレイ(HUD)が作り出す映像の可視化と評価事例
散乱測定の高速化/自動化による、ヘッドアップディスプレイ開発支援ソリューション

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