皆様、ご無沙汰しております。新入社員のSです。本年も宜しくお願いいたします。
引き続き、光学と光学設計について学んでいきます。亀と同程度にしか進めませんが、暖かく見守って下さい。
今回は、光学系の目標について少し自分なりに考えてみました。
カメラ、ビデオなどは、昔と比べて非常に高性能になっていると思います。そして、現在も高性能化は進んでいます。しかし、その究極の到達点はどこなのか・・・どういう性能を、どういうレベル(あいまいな表現ですみません)で達成すれば人は満足なのでしょうか?
(新人のくせに生意気ですね・・・すみません。)
ですから、光学系の究極の目的は、「人間の視覚と同等の性能を出す」ということだと考えてよいと思います。
しかし、ここでいくつか疑問が生じます。そもそも距離の異なる場所から飛んできた光を、ある平面上に完全に再現する、というのは可能なのでしょうか?
人間の網膜でさえ「球状」なのに・・・
「いち」平面上に再現(結像)させること自体が何か多くの矛盾を含んでいるように思えてなりません。
そして、個人的には、この「球状」という点が、より完全に近い光学系を設計する場合の「キモ」になると思うのですが、今のところ、このような構造を持つ光学系はあまり無いようです。いや、あるとは思いますが、自分の周りでは見あたりません。
現実モデルに戻ります。まずは「収差」なるモノについて少し調べてみました。
一般的には、光学系を設計する時、何とか光をコントロールしてある平面上に整った像を映し出そうとします。言い換えれば、そして、この平面に映し出される像を、より美しくするために光学系に改良が加えられます。
ここで問題となるのが「収差」です。
収差とは、
「理想とする像とのズレ」=「像面上で、理論上の光線通過位置と実際通過位置とのズレ」に相当します。
![]() 理想的な画像 |
![]() 収差のある画像 |
たとえば、上の例では左側が理想的な状態です。全てにおいて理想的な状態を保てた場合、この左側の像が得られます。ところが、レンズ(光学系)を通して結像させると、右側のような状態になってしまいます。全体的にピンボケしていたり、端の方では内側に歪んだり、また緑色の枠のようなものも確認できます。これら理想状態からのズレが収差と呼ばれるものです。
同じ材質を使っても、通過する光の波長によって、曲がり方(角度)は異なります。つまり、光の波長によってその屈折率は異なります。プリズムを通すと、太陽光が色々な色に分かれて見えるのはこの性質のためです。右上の画像の「緑の枠」のような収差もこれで説明がつきますね。
単色収差とは、1波長の光でも発生する収差のことです。主に、レンズの曲率 などに由来し、レンズの中心と周辺を通る光が、像面上でうまくバランスしない(同じ倍率にならず、少し伸縮する)や、焦点位置(Z座標)が異なる、という現象です。
色収差とは、光が2つ以上の波長から構成されていることが原因で起きる収差のことです。以前にも触れましたが、同じ材質でも、波長が異なると屈折率は異なります。そのため、同じ位置、同じ角度で入射した光線も、レンズを出るときには異なる位置、異なる角度で射出します。その結果、波長によって像面を貫く位置が異なります。
では、収差は何によって発生するのでしょうか?この点について、少し考えてみました。
すぐに思いつくことは以下の通りです。
ところでS君、今は何月ですか? 新年の挨拶は新年早々行いましょう。それと勉強のほうは今年の干支にちなんで、一生懸命がんばって下さい。あ、でも周囲の状況にもよく気を配ってくださいね、一応人間なんですから。
いかがでしたか?