前回:レンズタイプの予想、結像性能を回折限界に追い込めそうなレンズタイプを予想しました。予想した結果、良さそうなレンズタイプが3タイプ挙がりました。
これを光学系の収差係数から判断していくことにしました。
・・・が、いざやり始めるとCODE Vの操作が面倒だなぁと思い始めてしまいました。。
(CODE V技術スタッフとしてはあるまじき話ですが)
今からやろうとする操作は“パラメーターの変更と収差係数計算”というシンプルな操作の延々とした繰り返しです。
何パターンも試そうとするとかなり面倒な作業になります。
そこで、楽ができないか考え始めました。
というわけで、この検討に特化したプログラムを作っちゃいました♪
VisualBasicとExcelをCOMでつないだプログラムです。
これで凹凸の組み合わせをある程度絞っていきます。
ただ、このプログラムもいざ使ってみると、面倒というか不便な箇所がいくつか出てきました。
絞り面の設定やCODE Vデータの書き出し、Undo/Redoなどの機能が欲しくなりました。
ということで、どんどんバージョンアップ♪
最終的に、このプログラムはバージョン14まで機能強化されました。
このプログラム作成に1ヶ月弱を費やします。。
「何だか設計コンテストから大きく外れてない?」と思ったあなた!
そんなことはありません。
確かに最初は面倒な操作を楽ちんにするためのプログラムでした。
しかし、このプログラムはレンズの組み合わせ検討にかなり有用なものでした。
このプログラムでやっていたこと、突き詰めればそれは
”近軸光線の光路を決める”
です。
(近軸光線とは軸上マージナル光線と軸外主光線の2光線です)
CODE Vと違い、このプログラムは近軸光線の光路と収差係数しか表示しません。
いいように考えると、これら以外の情報は全て遮断されているわけです。
つまり、近軸光線の光路と収差係数、2つの情報だけに集中して検討を進めることができました。
集中して検討していくうちに、凹凸の変化が近軸光線にどう作用するか、どんどん見えてきました。
パラメーター変更のジレンマ、“一方の光線の光路を良くしようとすると、もう一方の光線の光路が悪くなる”が感覚的に分かりました。
2次結像系を予想する際に気付いた”絞り位置付近と1次結像位置付近に配置したレンズは一方の光線を優先的にコントロールできる”ということも簡単に理解することができました。
T:2.42488 U:0.98114 V:0.79655 P:0.00000 X:2.13174 |
![]() ![]() |
全長=3907689.5mm(3.9km!) |
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T:2.42603 U:0.26124 V:-0.05676 P:0.00000 X:1.55727 |
![]() ![]() |
全長=1862049.8mm(1.8km) |
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T:-11.26157 U:0.62764 V:-0.14961 P:0.00000 X:1.26235 |
![]() ![]() |
全長=56187.2mm(56.1m) |
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ズームレンズのワイド端タイプとステッパータイプはそこそこ良い結果を出せました!
ただ、どのタイプも全長が伸びていく傾向にあるようですね。
設計後の光学系は長すぎて、1枚1枚のレンズの配置が確認できません。。
このほかにも様々な凹凸の組み合わせを試してみました。
が、だいたいMFは同じようなところで頭打ち。
さぁ、この時点で締め切りまで後1週間! 時間がありません。
『根本的なところを見直さないと、これ以上MFを上げられない??』
時間がないにも関わらず、こんな考えが浮かんできました。。
できれば考えたくないことなのですが。