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製品・サービス

製品の使用状況を把握し、サービス高度化を支援
ThingWorx Smart Connected Products

製造業を取り巻く環境は、急速に変化しています。市場のグローバル化や製品の高機能化に加え、熟練技術者の引退や労働人口の減少といった人材面の課題も深刻さを増しています。そうした中で、製品を「売って終わり」にするのではなく、出荷後も継続的に価値を提供する仕組みが求められています。近年では、製品そのものの性能や品質に加え、「どのように使われているか」といった使用状況の可視化が、製造業における競争力のカギとなっています。

ThingWorx SCPとは?

ThingWorx Smart Connected Products(SCP)は、製品とクラウドを安全に接続し、収集した使用データを可視化・分析・サービス活用につなげるアプリケーションパッケージです。
あらかじめ構築されたダッシュボードやデータ収集テンプレートにより、ゼロから開発する場合と比較して、製品の使用状況をすばやく“可視化”します。これにより、これまで見えにくかった製品の稼働状況や使用環境のデータを活用し、保守対応の最適化やリモートサービスの提供、従量課金モデルへの展開など、ビジネス全体の高度化を支援します。

Connected Productsとは

インターネットを通じてデータを送受信し、より高度な判断力を備えた制御や最適化が可能な製品のことを指します。

アセットの所在地一覧表示

現場のこんなお悩み、ありませんか?

製品が「どのように使われているか」が分からず、保守や設計改善の根拠がつかめない
→ 実際の使用頻度や使われ方が見えないため、設計変更の判断が経験や勘に頼っている

海外や遠隔地にある製品の状態を把握できず、トラブル時の対応が後手にまわってしまう
→ お客様から連絡を受けるまで状況がわからず、急な出張対応や部品の緊急手配が常態化している

定期点検・保守のタイミングが一律のため、余計なコストがかかっている
→ 実際はまだ使用頻度が少ない製品にも一律で保守に伺っており、工数・出張費がかさんでいる

製品の稼働情報をもとにした新たなサービス(従量課金、リモート支援など)を展開したいが、仕組みが整っていない
→ 実現したいビジネスモデルはあるが、データの収集・集計・可視化の基盤がなく、PoCから先に進められない

導入のメリット

突発的なトラブルの予防と保守コストの削減

製品の稼働状況や異常の予兆をリアルタイムに把握できるため、計画的な保守対応が実現できます。これにより、突発的なダウンタイムを回避し、保守・対応コストを最適化できます。

お客様満足度の向上と個別最適なサービス提供

利用データに基づいたタイムリーなサポートや、利用状況に応じたサービス提案が可能になります。製品販売後も継続的に顧客と接点を持つことで、満足度・信用度の向上、およびリピートや契約継続の促進につながります。

製品開発へのフィードバックループの構築

市場での実運用におけるリアルなデータを開発部門へフィードバックすることで、ユーザーニーズに即した改善・新製品企画が可能になります。開発サイクルの短縮や品質向上にもつながり、競争力強化を後押しします。

新たな収益モデルの創出

遠隔監視サービスや稼働状況に応じた課金モデル、サブスクリプション型契約など、実運用データを活用して新たなサービスのビジネスモデルを構築できます。

グローバル対応と拠点横断での一元管理

複数地域・拠点に展開されている製品や設備の稼働状況を、ひとつのプラットフォーム上で可視化・管理することで、現地に依存しない運用体制の構築が可能となり、グローバルレベルでのサービス品質の均質化や、各拠点の課題把握・運用最適化を支援します。

主な機能と特長

データ収集・統合:あらゆる機器やシステムと“つながる”柔軟性

センサー、PLC、産業用ゲートウェイ、OPCサーバー、エッジデバイスなど、多種多様な機器と直接接続し、データを収集することができます。Modbus、OPC UA、MQTT、REST、SQL、WebSocketといった主要な産業用プロトコルを標準でサポートしており、既存の設備やシステムとの統合もスムーズです。また、ThingWorx Edge SDKや専用エージェントを利用すれば、クラウド環境だけでなくオンプレミス環境でも柔軟な構成が可能です。

アセットの現状

複数アセットの稼働率一覧

ダッシュボードによる可視化:誰でも扱える、見やすく、使いやすいUI

専用の画面開発ツールにより、コーディングなしで監視用のダッシュボードや操作画面を作成することができます。開発したダッシュボードや操作画面はWebブラウザ上で動作するため、PC、タブレット、スマートフォンなど多様なデバイスからアクセスが可能です。リアルタイムグラフ、地図表示、状態インジケーターなど、豊富なウィジェットを組み合わせたり、ユーザーごとにアクセス権限や表示項目を設定することができ、業務や権限に応じた画面設計が行えます。

ダッシュボード (任意にカスタマイズ可能)

アラート・通知機能:異常や変化を瞬時にキャッチ・即座に対応

収集されたデータはリアルタイムで評価され、あらかじめ設定した閾値や条件に基づいて異常やイベントを即座に検出することができます。これにより、状態変化や異常発生に対してアラートの発報、イベントの記録、外部システムへの連携といったアクションを自動で実行できます。履歴の管理や状態遷移のトラッキングにも対応しており、分析やトラブル対応にも活用できます。

セキュリティ管理:産業IoTに不可欠な“安全性”を標準装備

セキュリティ面では、TLSによる通信の暗号化、LDAPやSSOによるユーザー認証、ロールベースのアクセス制御など、エンタープライズ向けの堅牢なセキュリティ機能を備えています。また、クラウド、オンプレミス、ハイブリッド構成いずれにも対応可能で、AzureやAWSなど外部クラウドサービスとの連携も視野に入れた拡張性の高い設計となっています。小規模なPoCから大規模な実運用まで、段階的なスケーリングが可能です。

システム構成例

活用事例

建設機械メーカー:走行データから“利用実績に応じた課金モデル”を実現

課題 : リース契約において「使っていないのに料金が発生する」という不満が多く、契約更新率の低下が課題に。

解決

  • 各車両の走行距離、稼働時間、GPS位置などを取得・記録。
  • 収集したデータを元に「従量課金型契約」「地域別利用分析」「利用状況に応じたメンテナンス提案」などの新たなサービス提供が可能に。
  • ユーザー側にはコストメリットが生まれ、メーカー側も契約継続と追加提案による収益拡大を実現。

 

参考事例 : 株式会社クボタ 「付加価値を生み出すアフターサービスを。 「クボタトラッキングシステム」の構築に ThingWorx を採用し、早期の開発を実現」

設備メーカー:製品の“稼働状況”を可視化し、リモートサービスを提供

課題 : 納入先で設備の不調が発生しても、現地に行かないと状況が把握できず、対応が後手に回ることが多かった。

解決

  • 稼働データ・異常履歴・使用時間などを遠隔から把握。
  • ダッシュボードで納入先の各設備の状況を一元管理し、異常時にはサービス部門に自動通知する機能も実装。
  • 予兆保全を組み合わせることで設備が停止する前にメンテナンスを実施。サービスコストも削減し、「新たな保守契約モデル」も展開可能に。

 

参考事例 : Flowserve 社 「 IoT ベースのリモートモニタリングで現場の効率と信頼性を強化」

医療機器メーカー:使用ログを分析、設計へフィードバックし、製品改良へ活用

課題 : 機器が実際にどう使われているのかを把握できず、設計上の想定とのズレが見えていなかった。

解決

  • 使用状況・エラー発生頻度・操作傾向をクラウド経由で収集。
  • 利用パターンを可視化し、設計・開発部門へ定量的な改善フィードバックを実施。
  • 実運用データをもとに、製品設計の改善を実施。利用者の安全性と満足度も向上。

 

参考事例 : Sysmex 社 「 IoMT(Internet of Medical Things)活用」

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