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Ansys Fluids 主な新機能

2018年1月、Ansysの最新バージョン19.0がリリースされました。ここでは特に注目度の高い流体解析の新機能をご紹介します。

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※利用可能な機能はライセンスによって異なります。詳しくはお問い合わせください。

Ansys EnSight 登場

  • Ansys CFD Premium
  • Ansys CFD Enterprise
  • Ansys CFD PrepPost

ハイエンドポストプロセッサとして名高いEnSight が、Ansys EnSightとしてAnsys 流体製品のパッケージに新たに加わりました。高速で高機能なEnSightはAnsys CFDツールは勿論、Ansys Mechanical、EDEM、DAFULなど、幅広い解析分野・解析ツールに対応し、統一的なポストプロセッサとして活用できます。

豊かな表現力

サンプル

美しい表示によって直感的に理解できる形で結果を表示できるだけではなく、複数の結果ファイルやグラフを同時に表示することで、定性的にも定量的にも説得力のあるみせ方が可能です。 また、物体の質感もリアルに仕上げることが可能で、解析結果をより深く印象づけることができます。

マルチフィジックス対応

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EDEM-Fluent連成

Ansys EnSightの活躍領域はAnsys CFDにとどまりません。 Ansys Mechanicalは勿論、合計80以上のCAEツールにも対応しており、更にはそれらの連成結果も処理可能です。様々なCAEツールをお使いでも、Ansys EnSightでそれを統一的に処理できます。

高速で快適

サンプル
※【サンプル1】メッシュ:100万、六面体+多面体セル
※【サンプル2】メッシュ:420万、四面体+プリズムセル
※EnSightは二回目以降の読込速度

Ansys EnSightはマルチコア対応で高速・快適にポスト処理を実行できます。Ansys CFD-Postとの比較では読込はもちろんのこと、ベクトルの描画など具体的なポスト処理操作かかる時間も大幅に短縮可能です。
Ansys EnSightが、そのパワフルな処理能力で、あなたの生産性を大幅に向上いたします。

DesignXplororの利用範囲がさらに拡大

Ansys CFD Premium
サンプル

Ansys CFD Enterpriseにバージョン18.0で追加されたAnsys DesignXplorerが、Ansys CFD Premiumでも利用可能になっています。

最適化設計、感度解析、シックスシグマ解析など豊富な機能を備えた最適化ツール・Ansys DesignXplorerは、製品設計を加速させる大きな助けとなります。

VOFモデルと粒子追跡機能の連成によるSpray Breakup解析

Ansys Fluent
サンプル

液体が噴射によって霧状になる現象(Spray Breakup)は多くの産業において重要な現象です。この現象を精度よく、かつ現実的なコストで解析するため、Ansys Fluent 19.0にVOFモデルとDPMを連成する機能が追加されました。

従来の手法では、VOFモデルで小さな液滴を解像する必要があり、多大なコストが必要でした。本機能は、大きな液体の塊の部分はVOFモデルで、細かな霧状になった液体はDPMモデルで解析することで、精度と計算コストの両方の要求を満たすことができるようになりました。

粒子追跡機能と移動変形メッシュ機能の連成による侵食と変形の評価機能

Ansys Fluent
サンプル

配管中を流れる流体中に微粒子などが混入すると、浸食作用によって壁面が削られ、配管の破損や搬送能力の低下につながる恐れがあります。 Ansys バージョン19.0では粒子による侵食(エロージョン)作用で壁面が変形する様子を模擬する機能が追加されました。

右の例では粒子が壁面にぶつかることで変形していることがわかります。さらに、変形による流れの変化、粒子の挙動の変化までシミュレーションによって把握することが可能です。

GUIの改善による操作性の向上

Ansys Fluent

Ansysはより快適にCFDを実施して頂くために、Ansys Fluentの操作性を継続的に改善し続けています。
バージョン19.0でも様々なユーザーインターフェースの改善がなされています。ここではその一部をご紹介いたします。

Fluent Remote Visualization Client

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サーバーマシンでCFDの計算を行う場合、通常はサーバーマシンにログインしなければ、計算の実行や途中結果の確認などは難しいものです。バージョン19.0で正式に登場したFluent Remote Visualization Clientを利用すれば、サーバーでの計算処理を格段に快適に行えるようになります。
この機能では、クライアントマシンからサーバーマシンで可動するFluentを操作し、計算実行・途中結果確認など様々な処理を実行することができます。途中結果の確認のために、サーバーにあるデータを一旦ダウンロードしたり、計算を一時停止したりする必要はありません。

GUIの改善

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Fluent本体のGUIも改善が加えられています。 例えば、マウス操作の設定や画面表示・背景などの設定を保存できるようになり、Workbenchなどの他ツールと操作環境を統一したり、お好みの操作環境にカスタマイズしたりすることが可能になりました。他にも、境界条件を選択して画面上に対応箇所を表示する機能や、ツリーにフィルター機能が追加されております。

オーバーセットメッシュ機能の拡充

Ansys Fluent

オーバーセットメッシュにより、リメッシングやスムージングを行わずに解析の単純化および加速化が可能です。 バージョン19.0では、安定性を更に向上させながら、許容されるトポロジが大幅に強化されました。さらに、MRFモデルやUser Defined Scalar機能、Mixtureモデルおよびキャビテーション・蒸発凝集モデルが利用可能になるなど、解析の幅が大きく広がっています

混相流機能の拡充

Ansys Fluent
サンプル

混相流解析機能はFluentの大きな特徴の一つです。バージョン19.0までに多くの機能が追加され、より正確に実現性を捉えることが可能になっています。

例えば、毛管圧のモデルが追加されたことにより、多孔質媒体中を浸透する流体の状況がより正確に把握できるようになりました。
また、Mixtureモデルにおいて界面の捕獲スキームが個別に選択できるようになったことで、分散相と連続相が混在するような状況でも適切に界面を追跡することが可能となっています。

ターボ機械のためのシミュレーションモデル

Ansys CFX

ブレードフラッター機能向上

ターボ機械の設計を行う上でフラッターの解析は非常に重要です。この現象を正確に解析するために、Ansys CFX バージョン19.0では、ブレードフラッター機能にさらなる向上が加えられています。
まず、複素固有モードに対応したことで、減衰を含むより複雑なモード形状でのフラッターの発生を予測可能になりました。加えてブレードフラッター機能は、今バージョンから全周および周期対称モデルにも対応しました。従来のFourier Transformationモデルとの使い分けが可能になり、解析の幅が一段と広くなっています。

使いやすいシミュレーション環境

Ansys AIM

Ansys Discovery AIMは、設計者やCFD初心者でも分かりやすいワークフローで解析が可能な解析ツールです。バージョン19.0で加わった流体解析の注目の新機能をご紹介いたします。

非定常解析機能

サンプル

一般的に流体解析は非定常性が強く、自然対流を始めとする様々な現象は非定常解析でなければ正確に把握することが困難な場合があります。
バージョン19.0のAnsys Discovery AIMでこの機能が追加されたことで、使いやすさはそのままに、非定常性の強い現象を再現できるようになっただけはなく、ダイナミックな流体の挙動をより正確に解析することが可能になりました。

多孔質媒体:異方性流体抵抗モデルの追加

サンプル

多孔質媒体の中を流れる流体を異方性の流体抵抗によってモデル化することが可能になりました。多孔質媒体のような細かな形状を持つ物体を忠実にモデル化することはコスト上困難ですが、流体抵抗を利用することで大幅にコストを低減することが可能です。その中でも、本バージョンでは異方性の流体抵抗が利用可能になっています。
下の例は、異方性の流体抵抗の有無による流れ場の違いを表しています。流体抵抗によって多孔質媒体の流れの変化を捉えています。

粒子・液滴流れ機能の追加

流体中を粒子状になって進む物体をモデル化する場合、特別なモデルを使用する必要があります。Ansys Discovery AIMでは、バージョン19.0から粒子追跡機能を追加し、このような現象のモデル化が可能になりました。 この機能を使えば、固体粒子はもちろん、水滴のような液滴、液体中の気泡などの解析が可能です。
下の例は配管中の固体粒子の軌跡とそれによる侵食率を表したものです。

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